『珈琲には砂糖を溶かして』みどねこ著 強くなること、最強になったものの悩み
最近考えていたことがあって、可奈美って最強の存在であったタギツヒメに勝利したということは、もはや可奈美以上に強い相手がいないということで、この最強の存在となった可奈美は剣術を楽しむことはできても本気で相手ができる相手がいないことの孤独をどう解決したらいいのだろう?と考えていました。
それがこの作品を読んで、なるほど!!と考えていたことの答えの一端が見えた気がします。
この作品の可奈美は強くなることで荒魂の驚異から人々を助ける可能性を高めることができると信じて、強くなろうとしています。このことは刀使ノ巫女のアニメ本編の獅童真希のような感じですね、もし可奈美に才能がなかったら真希のようになっていたのだろうなと思います。
でも可奈美には才能があって、そしてそれを楽しむ才能もあった。でもそのことが原因で稽古をお願いした後輩に影で「あたし、あの人苦手なんだよね。なんか距離近いっていうかさぁ・・・・・・」と言われてしまいます。可奈美が強すぎること、そして楽しめる性格であるからこそ興味をもった相手に積極的に手合わせを申し込める。もし可奈美が強くなかったらこうはならないと思うのですね。
すると可奈美は強くなろうとすることに疑問を感じる、これは強くなることで守ろうと思っていた人々から、強くなるからこそ拒絶されることもあるということに悩んだからだと思います。
そう!これなんですね、最強の存在になるということは孤独になるということだ。という風にこの作品内で語られています。うんうん、これって『戦国妖狐』のムド『しゃにむにGO!』の佐世古駿『はねバド!』の羽咲綾乃などなどが思い浮かびます。
そして、最強ゆえの悩みを解決するか?という問いに対してこのみどねこさんの出された答えは
自分に本気で向き合ってくれる人間がいることだ!
と言っているんだと思います。その相手は姫和ですね。
これになるほど!!!と納得しました。『戦国妖狐』のムドには千夜が 『しゃにむにGO!』の佐世古駿には伊出延久が 『はねバド!』の羽咲綾乃には荒垣なぎさが。
そして思い出したのは『左利きのエレン』と『HUNTER×HUNTER』のメルエムとコムギ。すごい、すごい色々繋がっていく!というかすでに答えを知っていたんだなー、でもこの本を読んだことでそのことにやっと気がつけた。
最強ゆえに、本気で戦わないのは相手への侮辱なんだ。これは『バンドリ!ガールズバンドパーティ!』の西沢はぐみの運動会エピで学んだ。
だからこそ、自分のすべてを出して、自分のことを知ってもらって、それで自分と本気で向き合ってくれる人が現れることを祈るのだ。祈るのも違うんだと思うんだけど。これは『ゆるキャン』の楽しいことをやってると友達が出来る。ということに繋がる気がする。
うーん!いいなぁ、『刀使ノ巫女』って色々なテーマが内在してると思うけど、この強くなること(=最強になること)の問いはアニメのなかでも可奈美が抱えていた問題で、この問いに対して、みどねこさんは真摯に答えを出されたんだと涙が止まりません。 いやぁ、面白かったし感動しました。寿々花と可奈美の再戦とか、可奈美という存在の周りには肯定するだけじゃない子だっているんだってことが描かれいてすげぇですよ!人のネガティブな感情は消えることはない、でも未来を信じて行動する。『HuGっと!プリキュア』だ!
いま『バトルスピリッツ ブレイブ』を観てるんだけど、英雄になった人間がその後どう生きるのかが描かれてて、これって可奈美達もこうなるかもなーって。まだまだとじみこは鉱脈が埋まってますよ・・・。
みどねこさんの『最強の証明』も面白いので是非
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