今日も一日健やかに物語を

おもしろいと思ったものを

『Neo Fantasy Online ー邂逅ー』(2)糸洲著 異世界という非日常でサバイバルすることでいまを生きることの大切さを思い出す。

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www.melonbooks.co.jp

 

下記の記事の続きです。

 

kenkounauma.hatenablog.com

 

こちらの本を読んで、そう言えばなんでさよさんってタンクを選んでるんだろう?と思ってガルパの『Neo Fantasy Online -旅立ち-』を観てきてんですが、とくに理由は語られてませんでしたよね?ほかのイベントで語られてるのかな?

理由が不明だったので妄想を語るのですが、さよさんがタンクを選んだ理由って『優しい』からってのと、『臆病』だったからじゃないのかな?と。『NFO』イベを観てるとさよさん、敵が居ないのに盾を構えているじゃないですか?いつ襲ってくるかわからない敵に備えて(笑) んで、この、敵がいないのに盾を構えるという行動は敵に怯えているから、と見ることができます。
なら後ろで弓を使うキャラとか、ヒーラーでもいいよね?わざわざ味方の盾になるタンクじゃなくてもって思うのだけど、違うんですよね。

さよさんは努力をすることで自分を磨いて、ガチガチに身を守るタンクなんだと思うんです、自分が傷つかないために。だから妹のひなから自分のプライドを守るために自分を磨くし、でもそんな自分が嫌いなんだ。だって本当は妹が好きなのだから。(これは語ると長くなるので別の機会に)

こちらの『Neo Fantasy Online ー邂逅ー』のさよさんはまたNFOをやろうと誘われますが、断っています。

「それなりに時間や労力を費やしたので レベルや知識は向上したのですが」
「でも それはゲームのなかの話で 現実ではなにも起きていないというか」
「ゲームをやるくらいなら もっとほかにやるべきことがあるように思えてしまうんです」

たぶんこの疑問ってゲームをやった人なら誰もが抱く疑問なのではないだろうか?プロゲーマーのウメハラでさえもこの悩みを抱えていたようですし。

 

でも、「やるべきこと」をやる人生はどういうものか?というと最近だと『少女☆歌劇レヴュースタァライト』のひかりちゃんを思い出します。彼女はトップスタァになること、「やるべきこと」を優先させた結果、ひとりぼっちの砂漠の檻に捕らわれてしまいましたね。もちろんそれが「やりたいこと」だった場合、『風立ちぬ』の堀越二郎のようになってしまうので、これが苦しいということから、『ゆゆ式』などの「いまを楽しむ」ものが生まれてきました。

なにを言ってるのかというと、さよさんの言う「やるべきこと」というのは意味のあることをするべきで、ゲームなんて意味のないことをするべきではないと言ってるんです。でもそうすると「やるべきこと」つまり、目的に捕らわれて孤立して、ひとりぼっちの砂漠の檻に行き着いてしまいます。あと、いまの時代意味のあることなんてなにかなんて実は無いんだと思うのですが、昔は勉強して、いい大学に入って、いい会社に入ってという、わかりやすい道筋、ゴールが設定されていました。でもいまの時代、それをすると過労で死んでしったり、ストレスで鬱になったりと「やるべきこと」をやった人が脱落していくことがあると私達は知っています。

じゃあどうすればいいのか?それは、意味が無いと思われていたことをやることが重要なんだと思うんですよね。
実際、自分がこうやってブログを書いてることだってさよさんから見たら意味の無いことだと思うんですよ。でも自分にとってブログを書くことは仕事で疲れた自分を癒す、癒しなんです。意味のないことは『癒し』になるんですよ。

そして、意味がないと思われるブログが「興味深い」とか「伝わってくれてて嬉しい」とかコメントを貰えることがあるんですよね。だから、一見意味がないことでも、本気で続けていると意味の無いことのスキルが上がってそれが誰かを喜ばせることができる技になってたんですよ。まぁ、こんなことはいまを生きる現代人には当たり前のことだと思われるのでいまさら?(笑)って思うかもですが・・・。


さよさんもロゼリアのメンバーとの冒険を通して、このゲームのなかで感じる感情や、その時にどんな行動をするかを本気で考えることが意味の無いことなんかじゃない!と気がついたんだと思うんですよね。だから 

「ふざけるな!」

と高らかに宣言したんだと思うのです。

この作品でとても良いなーと思ったのは、さよさんが自分のすべてを懸けて敵に立ち向かっていくところなんですよ。上の方でさよさんは『臆病』であると書いたと思うのですが、このさよさんは仲間を守るために、自分のすべてを懸けて守ろうと決心している、これはゲームという非日常のなかで、命の危機に際したとき、『臆病』なさよさんが『仲間を守る』という選択ができる人なんだということにさよさんは気がついたのだと思うのです。そう思うと涙が出てきます(涙) だって、あの自己防衛をしていたさよさんがいまでは仲間を助けることができる人間に成長しているんですよ!?そりゃ泣けてしまうだろう・・・。

それに気がつけたのも、本気でゲームをやっているりんりんが居たからなのエモい。

 

ラストのボスとの戦闘で沙夜さんの防具が全て破壊されるところ、ここで沙夜さんはいままで自分の身を守るために身に付けた防具が破壊されても、沙夜という『自分』が残るんですよ。だから沙夜さんはもう自分を持っているということになる。周りの評価、日菜と自分の違いも受け入れられるのだと思うのです。だって、双子であっても沙夜と日菜は別々の人間なのだから。自分と能力や考え方が違うのなんて当たり前なんです。


いやぁ、大変素晴らしかったです。もちろん世界感を演出するための絵の書き込みも素晴らしかったですが、さよさんの成長を描いているところがとっても素晴らしいかったです!

 

「貴方達、ロゼリアに全てを懸ける覚悟はある?」

そ、そういうことかぁー!!?

 

 

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