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『9センチってどのくらい?』『会いたかった少女』 パピラブ著 パピラブさんの9センチはあことりんりんのお互いを見る視点。

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素晴らしかった・・・。純粋にあこちゃんの魅力が描かれていました・・・。宇田川あこの魅力というと、姉を純粋に尊敬していて、憧れている姿、妹であるからだろうとても甘え上手なところ、格好いいと思えることに挑戦できる勇気があるところ。など様々な魅力があります、それを全部内包して自分は『可愛い』って言ってるんだと思います。その魅力が余すところなくこちらの物語に描かれていて・・・、あこちゃん好き・・・、ってなりました。

こちらの物語でとても良いなーと思うのは、あこちゃんがさよさんに髪を整えて欲しいと頼むところなんですよ。さよさんとりんりんってガルパの『新緑のラルゴ』などを経てお互い仲良くなっていってるのが感じられるのですが、たぶんあこちゃんも最近のりんりんとさよさんの距離の近さ、信頼し合っている感じを感じているのだと思うのですよね。だから、りんりんを見習ってさよさんともっと仲良くなりたいと思って、髪を整えて欲しいと頼んだんだと思う。

す、素晴らしいですねこれ!!!

だって、あこちゃんは前にすすむ、挑戦する子なんだ。それが今回はさよさんと仲良くなりたいということでしたが、この短いエピソードで、あこちゃんとはどういう子なののか?とりんりんとあこちゃんの関係性を表現しているんですよ!
それに、絶対にこのあこちゃんがさよさんとの信頼関係を深めるという物語は今後公式でもやると思うんですよ!んでね、その関係性を深めるという物語の導入として、とっても自然な流れで描かれていると思うのですよ!


そして、あこちゃんの挑戦を手伝うりんりんがとっても素晴らしい。というか、パピラブさんの描かれる燐子が素晴らしいんだ。燐子がなぜあこちゃんのことを好きなのか?という根元の部分を描きつつ、それが依存や束縛の関係ということではなくて、燐子は『前にすすむあこちゃん』が好きなのだということを、あこがさよと仲良くなれるための行動を手伝うことで証明しているんです。もし、依存や束縛したいのであればそんな手伝いはしないはずなのだから。

なぜそのような関係性であるか?といえばあこちゃんとりんりんはもう本当の友達だからなんだと思います。友達というのは束縛したり、依存をする対象ではなくて、好きなものをやっているとき、たまたま相手も同じことをしていて、その同じ好きなことを共有することができる存在。二人が出会ったのは二人ともが好きでやっていたオンラインゲームを通してでしたね。そのゲームを通して他の誰かとじゃ再現のできない体験を共有していくことで、絆を深めていったのだと思う。それがパピラブさんのあこちゃんとりんりんを見ているとはっきりと表情でわかるんですよね。

パピラブさんの描く9センチはお互いの信頼の証だと感じました。

いやもう、ほんとうに素晴らしいです。絵も可愛くって・・・。「りんりんありがとう」のところとかもうめっちゃ好きです・・・。


こちらの『9センチってどのくらい?』の表紙のデザインをパピラブさんがされたとどこかで目にした気がするのですが、卍(寺)に駆け込む人のデザインが天才的です(笑) (違ってたらすみません)

まじ卍。