今日も一日健やかに物語を

おもしろいと思ったものを

『BanG Dream!(バンドリ!)』1話 キラキラドキドキしたいです!

BanG Dream! Blu-ray BOX

anime.bang-dream.com

最近バンドリの感想記事を上げていて、そもそもバンドリってどういう物語だったっけかなー?と思った。そこで第一期ってどんな物語だったっけっていう振り返りがしたい!

多少のネタバレがあるので未視聴の方は注意。

物語は戸山香澄の高校の入学式当日から始まります。香澄はとても元気な女の子として登場します、入学式が楽しみで目覚ましが鳴るよりも早く起きて、おそいぞ!って言いながら止めたり。春から同じ学校に通う妹をお越しに部屋に突撃しにいったり。もうこれからの高校生活がとっても楽しいことになることは間違いない!って感じなんですね。そんでそれは間違ってないんですよ、登校して速攻で友達つくるし、自己紹介でなんかすごいこと言ってるのにそれがきっかけでまた友達ができるし。下校時にカラオケに行ったりして。もうね、リア充なんですよ。これで高校生活円満待ったなし!!なんですよ。

ただ、香澄はそういうことがしたかった訳ではないんです、それは自己紹介のすごいことなんですが彼女はこう言ってるんです

「キラキラ、ドキドキしたいです!」    

いや、こんなこと言ってる人と関わるのちょっとためらいますが・・・。

香澄は小さい頃に感じた星の鼓動、ものすごくドキドキして、キラキラと輝くなにかをしたかったんですね。そのために香住は中高一貫である学校に受験して入学したんです、ここでなら星の鼓動(=キラキラドキドキすること)を見つけられると。

なのに、やっていることは確かに楽しいんだけどいままでと変わらない、日常の延長線上なんです。そんなことを学校からの帰り道、香澄は寂しそうな顔で下を向きながら歩いているんです、おそらく彼女はこれまでと変わらない日常が来ることに喜び、また逆になにも変わらない日常に悲しくなったのだろう、あぁ、また明日も変化のない同じ日常を繰り返すのだろうと、星の鼓動なんてないと彼女はこころのどこかで思っていたかもしれません。

最近観た『ひとりぼっちの○○生活』の一里ぼっちはなぜ友達を作ることに必死なのか?なぜ友達のは友達を作ることを条件にしたのか?を考えれば『ひとりぼっちの○○生活』は友達が出来ることこそが人生の充実を得られるのだと言っている物語だと思うのですが、これは『宇宙よりも遠い場所』の白石結月と同じテーマですね、彼女も友達が居ない自分は人生の充実から、仲間はずれにされているのではないか?というな不安と恐怖を持っていました。

hitoribocchi.jp

これは香住に言わせれば、友達がいることは確かに楽しい。のだけれども、それがこの人生を生きるのに足ることなのか?という疑問を持っているんです。だから下を向きながら歩いてる。

この疑問は『ゆるキャン△』のリンちゃんが答えていますね、彼女はひとりでキャンプをすることが趣味で、それをしているときに人生の充実感を感じています。つまりですね、楽しい趣味を持っていれば一人ぼっちでも人生は充実しているんだと言うことなんですよ。彼女はソロキャンという趣味を持っているから野クルのメンバーと友達になるんです。しかも、友達が出来てもソロキャンをやめませんよね。

だから、友達ができること=人生が充実するのでなくて。楽しい趣味を持って充実した人生を送っているから友達が出来るんです。順番が逆なんですよ。人生が充実するにはまず楽しい趣味を見つけて、そのあとに、たまたま同じことをしている人と友達になれるんです。友達が先ではないんですよ、楽しい趣味を持っている時点で人生はすでに充実しているんです。


友達が欲しいというのは依存の対象を探しているだけなんですよね。一里ぼっちはこのテーマの物語ではないと思うのですが、ただなにかしら趣味を見つけて欲しいなぁとは思う・・・。

では、楽しい趣味を見つけられなかったら友達はできないのか?というと別の方法があります。それが白石結月ですね、彼女は南極という行くのが困難な場所に、一緒に行った仲間と友達になれました。

ですから、困難なことを一緒にやる仲間がいれば友達が出来るんですよ。まぁ、この困難なことっていうのが難しいと思うのですが。

このへんの思考は下記の記事をめっちゃ参考にしていますので、詳しいことは下記の記事を読んで下さい。

petronius.hatenablog.com


戸山香澄のテーマは『宇宙よりも遠い場所』の玉木マリと同じで、今日と明日が変わらない毎日を変えたくて、香澄は高校を編入している。そして「ここではないどこか」を、下を向きながら歩いていた道で見つけるんです、『星』を。正確には星のシールなんですが、それが点々と何処かに続くように道や塀など、いろんなところに張ってあることに香住は気がつくんですね。そして行き着いた倉で、星の形をしたギターを見つけて、ライブハウスへ行き、バンドと出会いました。香澄の「ここではないどことか」としてバンドを見つけることが出来たんですね。その後ギターという趣味を通して友達を作っていきます。

おなじバンドものの『けいおん!』の田井中 律(たいなか りつ)とほぼ同じ動機で始めているのですが、ここまでの文脈が違うんだろうなーと思います。
この辺を詳しく書く力がないので簡単に書いていくと、『けいおん!』の頃は成長を志向しないで永遠に変わらない日常を過ごしていくのであれば、友達と楽しいことをするという回答を提示しています。ですが、そもそも友達が居ないんだけど?という問いがアニメを見ている層にはあったのだと思うのです。だから『僕は友達が少ない』や『やはり俺の青春ラブコメは間違っている』などの、友達が欲しい系の物語が出てくる。リア充爆発しろ!といっていた時代ですね。

そして『俺の青春ラブコメは間違っている』でリア充の代表である葉山から、一人で居るひきがやが羨ましいと言われ、リア充側だって悩みがない訳ではないということがわかるんですね。だから『BanG Dream!』の戸山香澄も友達が沢山いて、毎日が楽しいけど、友達が沢山いても人生が充実するわけじゃない。ということを言っているんだと思うのです。

けいおん!』と一緒で趣味を見つけることが人生の充実になるということを言っているのは変わらないけど過程が違うんですね、友達がいる=人生が充実することではないと、一旦否定している、そこがとても2017年の物語だなーって感じがします。

あとは、『BanG Dream!』は成長を志向している物語なので『けいおん!』とはそこが明確に違うところですね。

もっと語りたいことはあるんだよなー、細かい所とか。1話以降の感想としていつか書こうかな···。

 

 

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫)

 

 

 

 

ゆるキャン△ 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

ゆるキャン△ 1巻 (まんがタイムKRコミックス)