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『胡蝶の惰眠』 島田ゆうか著 物語の裏側を描く。これはすごい!大発見だ!

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さて、こちらの本は『胡蝶の夢』の舞台裏を描いてるというていの内容ですね。あちらの内容がシリアスの暗かった内容にたいして、こちらは『胡蝶の夢』を180度真逆のめちゃ明るいギャグコメディーに再構成されているんですよね。胡蝶の夢があまりにも暗かくて読んでいて心がギュっとなっていたところにこちらの本を読んだので、あぁ、実はこういった舞台裏があったんだな!と勝手に理解しました(笑)

 

kenkounauma.hatenablog.com

 

ただ、この本が『胡蝶の夢』をコメディ風にしたパロディとしてみることができるんですけど、そうではなくて、実際に舞台裏はあったとして見てみるのも面白いと思うんですよね。

 

これを日菜と紗夜が演じていたのだとすると、もうすでに二人の仲が悪かったころのことを客観視できるくらいになっているということで、紗夜さんは昔の自分を見つめなおすことができるくらいに成長したんだなと思えるし、日菜はそもそも演じるという行為をすることが彼女にとっては新鮮なことになるとはずです。

 

日菜は他人の気持ちがわからない、でもそのわからないことが楽しい、日菜にとって初めての感覚だったから。というふうに理解してるのですが、日菜がなにかを演じることって難しいのではないか?と思うんですよ、彼女は他人の気持ちが理解できない、たぶんいまゲームの現時点でも彼女はわからないから面白い!と思っているだけでわかるようにはなっていないはずです。

 

なにかを演じるということは、そのなにかについて理解して、そのときなぜそういう言動、感情をもったのか?が理解できていないと演じることはできないと思うんですよね。それを日菜がしている、たとえ自分のことを演じるのであってもそのときの自分といまの自分は別の人間だと思うので、他人を演じることができた日菜は人の気持ちがわかる子になっていっているかもしれないんです、この物語を読むとそう思えるんですよね。

 


この本を読んでから、次作の『貴方が生きて』と『君の見つけた花束』を読んでるときもこの舞台裏で頑張っているバンドリメンバーがいるような感じがして、この物語は紗夜と日菜が演じてるんだなと思えて、これ、すごく驚いたんですけど、二人が演じてるんだと考えるとスッと物語に入れたんですよ。自分にとってこれはものすごい大発見です!

 


キャラ紹介、いろんなキャラのギャグ、 ティアドロプスレッボリューション、箱とナイフの置き方の部優勝。などなどギャグも面白くて、なおかつキャラクターの造形が可愛いくってめちゃくちゃ好き。