『へやキャン△』『SPECIAL EPISODE サウナとごはんと三輪バイク』 ひとりでも、ひとりでなくてもいい。
ゆるキャン△のスピンオフ作品『へやキャン△』の円盤に特典として収録されているものが1日限定で各動画サイトにて配信されていたので、見ました。これはコミックス10巻に収録されているエピソードを映像化したものですね。『へやキャン△』でりんちゃんがあまり見れなかった分を存分に堪能できます。
ざっくり内容を説明すると、りんちゃんが使っているバイクを整備点検に出した代わりの台車として、三輪バイクが貸し出された。キャンプに行こうと思っていたりんちゃんは、父に提案で三輪バイクを使うことにした。みたいな感じ。
これ、観ているとりんちゃんがひとりでキャンプをしているのが、楽しそうだなーと感じられると思うんです。
『ゆるキャン△』は友達と一緒にいなくても繋がっていることが、りんちゃんとなでしこの関係を見ているとそう感じられます。それは友達と一緒にいることこそが楽しいこと、友達と一緒にいないと人生楽しくないよというリア充的な感覚、友達がいる"からこそ"人生は楽しいわけじゃないんですよ。
りんちゃんがひとりでキャンプをしているところを見て、つまらなさそうだったり、可哀想だったり、淋しそうには全然見えないですよね。
どうみても、『ひとりで』しているキャンプを楽しんでいます。
最近読んだ『湯上くんには友達がいない』の湯神くんは、自分のやりたいことが明確でやりたいことに使う時間で手一杯で、友達との関係に時間を割く余剰はないんですね。でも、湯神くんの行動を見ていればそれで十分毎日を楽しく生きていると感じられるんですよね。だけど、それは友達や仲間が必要ないと言っているわけではなくて、最終話で彼は「宇宙人を見つけて、宇宙で孤独な地球人のために友達をつくる!」と言っています。これは尊敬する落語家の平楽から「友達や仲間は宝だ」と言われたことを考えた結果至った結論なのですが、湯神くんは友達が必要ないと言っていたのに、なぜここでいきなり「友達をつくりたい」なのかと言うと、それは、ちひろちゃんの存在と自分を題材にした落語を聞いてその結論に至ったのだと思うんですよね。
落語を通して、自分の状況を客観的にみて、どうやら隣にちひろちゃんがいると楽しいことの幅が広がるようだぞ?と
隣に人がいることの楽しさを認めたのだと思うのです。友達なんていらないとことさらに拒絶するのではなくて、友達がいてもいいし、いなくてもいい。だから選択肢がない状況から選択肢を増やすために『宇宙人』なんだと思います。
あ、最後にひとつだけ!
16巻の湯神くんが言うロシア語、なんて言ってるのかわかんなくてスルーしてたんですけど、いま調べてみたら
Ты много значишь для меня.
トゥイ ムノガ ズナーチショ ドゥリャ ミニ
あなたは私のとても大切な人です
まじかよー!!告白してたのかよー!湯神くん可愛すぎるよ!!
脱線しました。
えっと、湯神くんもひとりでいても全然大丈夫なんですよね、楽しく過ごしています。ひとりぼっちでいることはなんにも寂しいことじゃないんですよね。
友達が欲しいと言ってた『僕たちは友達が少ない』、友達なんていらないと言っていた『やはり俺の青春ラブコメは間違っている』などの作品があったときから、いまはもう友達はいてもいいし、いなくてもいいに物語が収束していて、あぁ、物語を書く人たちは先に進んでるんだなと思います。
映像でみるとそれが客観的に見れて、りんちゃんが楽しそうにソロキャンしているのがハッキリとわかるので、原作10巻に収録されてるエピソードですが、アニメでも観ることを是非おすすめします!
『はがない』『俺ガイル』ってもう10年前の作品なのか...。