今日も一日健やかに物語を

おもしろいと思ったものを

『わたしを離さないで』 カズオ•イシグロ著 まだ途中までですが、、、。

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

仕事の行き帰りにちまちまと読んでいてでまだ途中なのですが、大変面白く、興味深かったのでいま感じていることを残しておきたくて書いてます。

舞台は1990年代のイギリスを背景にしたSF、子供達が暮らしているのはとある施設。彼らは「提供者」になるために産まれてきた存在なのか、、、?

 

 

読んでいる時に『約束のネバーランド』が脳裏に浮かんでくるのは自分だけじゃないはず

 

約ネバは鬼のような化け物に喰われるために生きているのに対して、『わたしを離さないで』の子供達は人間を相手に臓器を提供するために生きている。

 

どちらも子供を食い物にする話ではあるけど、化け物か人間かという違いでこれほどまでに恐ろしい物語になるのかと。

 

相手が化け物であれば、人間ではないから酷いことが行われてもそういったことをする生命体なのかもしれないと納得ができるのだけども、こちらの物語で臓器を提供する相手は子供達と同じ「人間」。

 

相手が未知の化け物ではなく、人間であると描かれることによって、自分がいままで見てきた「人間を食べる怪物」作品たちは、もしかしたら怪物ではなく人間だって人間を食い物にしているということを表現したかったのかもしれないとおもったんですよ。

 

臓器を提供する、という事でなくても、何か、労努力とか若さとか時間とか、を提供しながら人間生きています。けれどもなにかを提供しながら生きていくことは悪だ!と断罪するのが「人間を食べる怪物」の作品群が伝えたいことではなく、じゃあどうやってその現状を認識して、どう受け止めるのか、そんな状況のなかでもなにがあったら生きていけるのか?が伝えたいことだと思います。

 

なので、まだ途中ですが『わたしを離さないで』では、なにがあったら生きていけるのか?がテーマであると考えて読んでいきたいですー。