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『植物病理学は明日の君を願う』竹良実千代 植物が枯れれば人類は滅亡する。

植物病理学は明日の君を願う(1) (ビッグコミックス)

植物が病気になることで、なにが起こるのか?それは、最悪の場合人類の絶滅である。

 

現代科学であれば人間に害を与える細菌を作り出し、そしてばら撒くことは可能であろうことを世界は知っている。そんな現代科学であれば、植物に対して害を与える細菌をばら撒くことも可能であることは予測できる。目的は交渉相手に対しての材料にしたり、戦争に勝つための手段として用いたりなど。それに対抗するための植物病理学者の物語。

 

読んでる時に思い浮かぶのは、『科捜研の女』とか、『アンナチュラル』などの科学捜査系のドラマ。なので、これはもしかしたらいつかドラマで公開されるのでは?そうなったら面白そうだし見ていたいなぁと。

 

しかし、恐ろしいのは戦争中に植物細菌を使用する計画があったこと、そしていつ、植物細菌がばら撒かれるかもしれない可能性があるということ、ばら撒かれたら世界の流通が簡単になった現代では食い止めることが困難であることは、COVID-19の例を見ればわかります。

 

細菌でなくても、小さな虫が原因の場合でもあることが作中で表現されている。こんな小さな虫が?と思ってしまう。だけど、それを探すことが出来るのはその可能性があることを想像できる人で、ちっぽけな人間がもしかしたら世間を救うことができる。

 

そんな風に考えると竹良実さんの過去作の『辺獄のシュベスタ』や『バトルグラウンドワーカーズ』などの作品に繋がる、自分の行動が自分だけでは無く、周囲に繋がっていることがテーマになっているのではないかなーと感じる。

 

是非ともドラマするくらいには売れて欲しい作品ですねー。