今日も一日健やかに物語を

おもしろいと思ったものを

2019-01-01から1年間の記事一覧

『MOMO』 板路 夕著 痛いけれど、忘れたくない

1人の少女が『百日荘』という集合住宅に迷いこむ、ひと夏の少し不思議な体験。劇中のなかで様々な本が描かれているのですが、そのラインナップがどれも幻想や空想世界の物語で、この作品を読んでいるときに感じていた幻想的な印象が劇中にでてくる本のよう…

『Winter green daydream』 板路 夕著 終末なにしてますか?

コミティア130(19/11/24)の新刊コピー本。(無料配布!!) 板路夕さんの物語を読んでいてると、自然と異世界に連れていかれる感じがしてとても好きです。今回はどんな世界に連れていってくれるのだろう?とワクワクしながら読んでいたのですが、今回はまさ…

『らっことかわうそ (後)』 春井安子著 伝えることの難しさの葛藤と苦悩、それが美しい

前編の記事はこちら kenkounauma.hatenablog.com 読んでるあいだずっと胃がキリキリと締めつけられていました。 前編では岸本嵐子(らっこ)が、河浦颯子(かわうそ)のことを好きだと自覚するところで、物語は後編に続きます。この流れを観たとき、いまの百合…

『水色を見ず』やらゐ著 あの頃の約束覚えていますか?現実に押しつぶされてませんか?また会ってくれますか?

やらゐさんの新刊は前回のBDP7thで出されてた準備号の続きですね、楽しみに待ってました。 準備号で生殺し状態にされていたので、今回の本で結末を見れて良かった。 www.melonbooks.co.jp 自分の気持ちと相手の気持ちにどれだけ乖離があるか?を気にする気持…

『りんあこiSM vol.2』 パピラブ著 可愛すぎるので何億枚でも書いて欲しいです(切実)

www.melonbooks.co.jp 前の記事でも書いてますが、パピラブさんの絵柄マジで可愛いです・・・・・。見てると心がめちゃくちゃ癒されます・・・・・。 kenkounauma.hatenablog.com 感想はこれに尽きるのですが、どこが良かったのか?を紹介するためにブログを…

『煌めき』 ハマダアキコ著 少女たちの煌めき、私はそれが観たいのです。

よかった、よかったんだ。今回の即売会、行く前までスタァライトが併設で行われてるの全く知らなくて、カタログをみてから初めて気がついたんですよね。それでカタログに載ってるサークルカットがいいなと思って購入したのですが、もう本当に手に入ってよか…

『見上げると君は』 小堀 真著 きみは悪くない!!

こちらの作品を知ったのはツイッターで見かけてからなんですが、コミックスを買えたのがつい最近です。読んでる最中、ものすごく多幸感に溢れてる物語で、渋木君の変わりたいって気持ちと実際に行動する姿に、渋木君すごいなって・・・、涙がでます。 夜に御免…

『孤食ロボット』岩岡ヒサエ著 生活することの難しさと大切さに涙が

2019/10/18現在、AmazonKindleにて期間限定無料で読めるみたいで、オススメされていたので気になって1巻読んでみました。 孤食というのはこの漫画のために作者が作られた造語なのかな?と思っていたのですが、どうやらもともと世の中にある言葉なんですね。…

『よあけのヴェイパー』板路 夕著 神がいないこの世界で天使を作った人間はなにを求めていたのか?

やっと今回の新刊まで追い付きました。板路夕さんの作品に触れるのは 2019/8/25 のコミティア129 が初で、今まで記事に書いてきた3作と今回の1作までしか追えていないのですが、やはりなんといっても空気感がいいんですよね!ふわふわしてるというか、現実…

『手島さんの墓』 板路 夕著 水の味がわかるということ

板路夕さん感想、第三回目です! part1、2はこちらです。 kenkounauma.hatenablog.com kenkounauma.hatenablog.com 板路夕さんの作品『明るい水槽』『DEPT』『よあけのヴェイパー』を読み、そして今作について考えていました。板路夕さんの作品群の共通点は…

『DEPT』板路 夕著 次世代の物語。これがコミティアの素晴らしいところなのかもしれない。

www.pixiv.net 板路夕さん本感想part2です。板路夕さんの本を今回のコミティア129で沢山手に入って、どれも素晴らしいなぁとなっててほくほくしています。 part1はこちら kenkounauma.hatenablog.com 全体を通して感じることとして生と死の狭間を覗き込んで…

『明るい水槽(へや) 彼女についての覚書』 板路 夕著 世界との調和を図るために

この不思議な読後感を誰かとこの感情を共有したいなーと思って、ネットの海にダイブしたんですけど全然感想書いてる方がいなくて、なんで!?みんな知らないのか?となったのでそれなら布教者に俺はなる!!(ドンッ!!) いや、すでに板路 夕さんの作品はコミ…

『らっことかわうそ(前)』春井安子著 この感情に名前をつけるなら

めちゃくちゃてぇてぇんだよ!!!!!ってことを大きな声で叫びたくなる素晴らしい本です。この物語のどこがてぇてぇのかは実際に読んで確かめてほしいです、実際に読んで衝撃を受けてほしい。 ここからはネタバレありの読んだ前提で書いていきます。 岸本…

『カレイドスター』 佐藤順一監督  最強とは? その場所は孤独なのか?

www.gonzo.co.jp 紹介されて観た作品part2です。ありがとうございます、2003年のオリジナルアニメ、『おじゃ魔女ドレミ』『セーラームーン』のなどを作られているかたなんですね、それらの作品をちゃんと観たことがないのでこれがちゃんと観る監督の作品にな…

『天気の子』  愛にできることはまだあるんだ。だから僕たちは、大丈夫だ!

tenkinoko.com この感想は個人の感想であって、これが正解だよ!って言いたい訳ではないです! ネタバレもありますので注意を。 素晴らしかった、あまりにも素晴らしい。映画館で泣きそうになることはいままで結構あったけれども、まだ我慢することができて…

『おたえの日常短編集(千聖割増)』 糸洲著 日常を楽しく生きたいなら表現して伝えろ!!

www.melonbooks.co.jp 今回の糸洲さんの本は、本のタイトルにある通りに『花園たえの日常』を描いています。おたえが日常を幸せそうに過ごしている物語です。でも、これが日常の物語を描いた『けいおん』とか『ゆゆ式』とかの普通の女の子が主人公の物語では…

『ガルパペコ花』オニヨメ著 花咲女子オンリーギャグ。い、勢いが凄い(笑)

表紙の有咲かわいいですね!! オニヨメさんの新刊毎回楽しみにしているんですが、今回ももの凄い勢いのある展開で、怒濤のギャグで息もつかせぬ感じであっという間に読み終えてしまいました。 色々お気に入りところがあって、杉下香澄さんとか「な、なんだ…

『Lemuria.』えぬ著 そこにあなたが居るから私は私でいられる

www.pixiv.net BDP7thで入手したこちらの本なんすが、最初は表紙が綺麗でいいなと思って手にとって、中を見てモカと蘭の異世界物だ!!ってパラ読みしただけでわかる世界観が描かれていて、面白そうだ!と思って購入しました。 本の内容を紹介すると ネタバ…

『タビと道づれ』たなかのか著 地上に輝く星々の物語

ゆy 結構だらだらと長文を書いてしまったので、先に結論から言うと、 素晴らしい傑作だから読んで!2000年頃の日本の若者がいったいなにに悩んでいて、そしてそこから脱出するためにどうしたか?がよくわかる物語でした。 というようなことをここから下…

『響け!ユーフォニアム』『響け!ユーフォニアム2』 特別じゃない人間と特別な人間なんて本当にいるの?

tv.anime-eupho.com tv2nd.anime-eupho.com 黄前久美子は1期で語られている「本気で全国に行けると思ってたの?」にこの子の全てが集約されていると思う。 自分のやっていることが、将来に結び付くのか?という疑問があって、部活をやっている人間は本当に…

『ハイライトネガフィルム研究所』春井安子著 キミの人生はキミのものだ。

基本的にネタバレと適当なことを書いてます!! 去年のコミティアから春井さんの作品を追っているのだけど、今回の作品はいままでの作品の雰囲気と比べると、ものすごく明るくって(これで明るいって思うくらいだからいままでの作品をどれだけ暗いと思ってい…

『島とビールと女をめぐる断片』たいぼく著 広い世界を見ることで人は変わる

www.melonbooks.co.jp こちらは『ブルモーメントの女達』に対するアンサーなのかなと。 三人の女がいるが、明らかにユッコは一歩引いた位置にいると感じる。だからこれはハヤセとフミの二人の物語なんだ。そして、最後にユッコがかっさらうがこれは半年たっ…

『ブルーモーメントの娘たち』たいぼく著 世界は残酷で美しい。

ec.toranoana.shop 読んでいることを前提に書いてますのでネタバレあります! 最初読んだときは二人の女が○してしまったので、それを処理しに行くお話にかと思ったんですが、ラストまで読んでようやく、これが一人の人間の二重人格の話なんだと理解しました…

『This Communication』糸洲著 これぞまさにこの方のコアを描かれた作品だと思います。

自分が糸洲さんを知ったのはバンドリ二次創作の『花園ランド』でした。糸洲さんの作品はとても不思議で、(いま考えると、最初からこれを言っていたのだと解釈できますが)自分はこの方の作品を読んでいて感じたのはこの世界を生きるのに必要なこととは一体…

『32歳からはじめる青春』蛙山芳隆著 学生時代、青春を送れなかった作者の描かれた、青春を始める本。どんな自己啓発本よりも弱者に寄り添った素晴らしい自伝。

www.melonbooks.co.jp これを読んで思ったのは、人生のペースが変わりつつあるのではないかな?ということ。『LIFE SHIFT』 だとこれからの時代、人は医療の発達で100歳まで生きるだろうという予測が立てられ、そのために100歳までのライフステージを考えよ…

『錨を揚げる』ちょめ著 毎日の仕事で疲れきっている社会人はどうにかして休んでください・・・。

前の記事からの続きです kenkounauma.hatenablog.com あ、ネタバレが多少あります。 前の記事でも書きましたが『喫茶フロンテーラ』を読んでからこちらの本を読んだので、最初はおぉ、こっちは『海』か!どんな世界を魅せてくれるんだろうとめっちゃわくわく…

『喫茶フロンテーラ』 ちょめ著 背景の書き込みから感じる、世界がそこにあるという感覚。

先日(令和元年5/12)のコミティアでの戦利品です、立ち読み(?)させて貰い、建物などの背景の美しさに魅せられてこれは素晴らしいものだと自分のなかのゴーストが囁いたので購入しました。 ネタバレが多少あるので注意を。 世界がそこにあるという感覚とタイ…

『響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』 その先になにが待つのか、楽しみじゃない?

anime-eupho.com 観ていて現代日本の文脈を感じる素晴らしい作品でした。現代的な疑問としての『頑張った先になにがあるの?』というテーマを扱っていてとても良かったなーと思う。 日常ものがたくさんあった時代にあった、疑問だったのだと思う。だから『け…

『センズリ!ガールズチンポパーティ!』syoya著 自分のなかの価値観をぶっ壊されました!

www.pixiv.net どうやら今回の記事で50記事目らしいですね。そんな記念すべき回をsyoyaさんのこの作品で飾れるのは嬉しいです。いままだったら書かないようなジャンルに感想を書こうと思えたので(笑) 自分はこのふたなり系の作品というのは、なにがいいの…

『9センチってどのくらい?』『あこチャンネル』syoya著 syoyaさんの9センチ?暗黒カレーラーメンに入れるお湯の量ですかね?

www.pixiv.netwww.melonbooks.co.jp syoyaさんの絵ってなんでこんなに引き込まれてしまうのだろう?絵を見てると『パワーパフガールズ』とか『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』とかを思い出すからかな? これらの作品ってキャラがデフォルメされて…