今日も一日健やかに物語を

おもしろいと思ったものを

『9センチってどのくらい?』『りんあこアクアリウム』やらゐ著 やらゐさんの9センチはあこちゃんにの厚底靴の長さ。

f:id:kenkounauma:20190402221109j:plain

www.pixiv.net

www.melonbooks.co.jp


みんなー!あつまれー!エイのうだがわの時間だよー!!
みんな大好きエイのうらがわ!りんりんのあのゆうめいなせりふもきけるよ!

 

うん、やっぱりやらゐさんの描くあことりんりんの関係性は面白いなー(笑) あとは表情もやっぱりいいんですよ、なまこにめっちゃ拒絶反応を示すあこ、すげぇ顔してる。

笑えるだけじゃなくて、いい話もぶち込まれてるのでちょっとまじめに感想を書いていきたい。

あこの履いている靴にこんなエピソードを思い付くとは、凄いです。タイトルに書きましたが、さすがに9センチも高い厚底靴ではないと思いますが(笑) 人間って背が一気に変わる経験ってそうはないと思います。ですから見える景色というのは自分にとってはつねに一定、見慣れた景色になる。

でも、あこちゃんは燐子から貰った靴を履いたことで見える景色が数センチだけ変わったんですね。それはいつも見ている風景よりも少しだけ高い目線で見える景色。子供が親に肩車してもらって喜んでいるお話とかよくあると思うのですが、見える景色が高くなるとめっちゃワクワクした経験が自分にもあります。

たぶんあこちゃんもこんな感じのワクワクした気持ちで、そんな状態で超カッコイイゆきなが見えたら(いま?いまも格好いいだろ!!(威圧))それは超超ワクワクして好きー!って気持ちになってしまうのも頷けますよね?(わかんないけどネズミの国で父親に肩車されながらネズミをみる。みたいな風景を想像するだけで俺は幸せな気持ちになれる)

そしてそんな視点を変えるきっかけを与えてくれたりんりんのことも好きー!ってなるのもわかります。

やらゐさんの描く『9センチ』はワクワクする風景。とても素晴らしかった。


あ、全てが繋がってるっていうと最近みた『未来のミライ』がそうでしたね。これは家系を巡る話で、全部がくんちゃんに繋がってるんだっていうお話でした。お祖父さんのお話が出来すぎてて泣けます。


エイの裏側は扇状的。

 

 

『Neo Fantasy Online ー邂逅ー』(2)糸洲著 異世界という非日常でサバイバルすることでいまを生きることの大切さを思い出す。

f:id:kenkounauma:20190401230416j:plain
f:id:kenkounauma:20190401230443j:plain

 

www.melonbooks.co.jp

 

下記の記事の続きです。

 

kenkounauma.hatenablog.com

 

こちらの本を読んで、そう言えばなんでさよさんってタンクを選んでるんだろう?と思ってガルパの『Neo Fantasy Online -旅立ち-』を観てきてんですが、とくに理由は語られてませんでしたよね?ほかのイベントで語られてるのかな?

理由が不明だったので妄想を語るのですが、さよさんがタンクを選んだ理由って『優しい』からってのと、『臆病』だったからじゃないのかな?と。『NFO』イベを観てるとさよさん、敵が居ないのに盾を構えているじゃないですか?いつ襲ってくるかわからない敵に備えて(笑) んで、この、敵がいないのに盾を構えるという行動は敵に怯えているから、と見ることができます。
なら後ろで弓を使うキャラとか、ヒーラーでもいいよね?わざわざ味方の盾になるタンクじゃなくてもって思うのだけど、違うんですよね。

さよさんは努力をすることで自分を磨いて、ガチガチに身を守るタンクなんだと思うんです、自分が傷つかないために。だから妹のひなから自分のプライドを守るために自分を磨くし、でもそんな自分が嫌いなんだ。だって本当は妹が好きなのだから。(これは語ると長くなるので別の機会に)

こちらの『Neo Fantasy Online ー邂逅ー』のさよさんはまたNFOをやろうと誘われますが、断っています。

「それなりに時間や労力を費やしたので レベルや知識は向上したのですが」
「でも それはゲームのなかの話で 現実ではなにも起きていないというか」
「ゲームをやるくらいなら もっとほかにやるべきことがあるように思えてしまうんです」

たぶんこの疑問ってゲームをやった人なら誰もが抱く疑問なのではないだろうか?プロゲーマーのウメハラでさえもこの悩みを抱えていたようですし。

 

でも、「やるべきこと」をやる人生はどういうものか?というと最近だと『少女☆歌劇レヴュースタァライト』のひかりちゃんを思い出します。彼女はトップスタァになること、「やるべきこと」を優先させた結果、ひとりぼっちの砂漠の檻に捕らわれてしまいましたね。もちろんそれが「やりたいこと」だった場合、『風立ちぬ』の堀越二郎のようになってしまうので、これが苦しいということから、『ゆゆ式』などの「いまを楽しむ」ものが生まれてきました。

なにを言ってるのかというと、さよさんの言う「やるべきこと」というのは意味のあることをするべきで、ゲームなんて意味のないことをするべきではないと言ってるんです。でもそうすると「やるべきこと」つまり、目的に捕らわれて孤立して、ひとりぼっちの砂漠の檻に行き着いてしまいます。あと、いまの時代意味のあることなんてなにかなんて実は無いんだと思うのですが、昔は勉強して、いい大学に入って、いい会社に入ってという、わかりやすい道筋、ゴールが設定されていました。でもいまの時代、それをすると過労で死んでしったり、ストレスで鬱になったりと「やるべきこと」をやった人が脱落していくことがあると私達は知っています。

じゃあどうすればいいのか?それは、意味が無いと思われていたことをやることが重要なんだと思うんですよね。
実際、自分がこうやってブログを書いてることだってさよさんから見たら意味の無いことだと思うんですよ。でも自分にとってブログを書くことは仕事で疲れた自分を癒す、癒しなんです。意味のないことは『癒し』になるんですよ。

そして、意味がないと思われるブログが「興味深い」とか「伝わってくれてて嬉しい」とかコメントを貰えることがあるんですよね。だから、一見意味がないことでも、本気で続けていると意味の無いことのスキルが上がってそれが誰かを喜ばせることができる技になってたんですよ。まぁ、こんなことはいまを生きる現代人には当たり前のことだと思われるのでいまさら?(笑)って思うかもですが・・・。


さよさんもロゼリアのメンバーとの冒険を通して、このゲームのなかで感じる感情や、その時にどんな行動をするかを本気で考えることが意味の無いことなんかじゃない!と気がついたんだと思うんですよね。だから 

「ふざけるな!」

と高らかに宣言したんだと思うのです。

この作品でとても良いなーと思ったのは、さよさんが自分のすべてを懸けて敵に立ち向かっていくところなんですよ。上の方でさよさんは『臆病』であると書いたと思うのですが、このさよさんは仲間を守るために、自分のすべてを懸けて守ろうと決心している、これはゲームという非日常のなかで、命の危機に際したとき、『臆病』なさよさんが『仲間を守る』という選択ができる人なんだということにさよさんは気がついたのだと思うのです。そう思うと涙が出てきます(涙) だって、あの自己防衛をしていたさよさんがいまでは仲間を助けることができる人間に成長しているんですよ!?そりゃ泣けてしまうだろう・・・。

それに気がつけたのも、本気でゲームをやっているりんりんが居たからなのエモい。

 

ラストのボスとの戦闘で沙夜さんの防具が全て破壊されるところ、ここで沙夜さんはいままで自分の身を守るために身に付けた防具が破壊されても、沙夜という『自分』が残るんですよ。だから沙夜さんはもう自分を持っているということになる。周りの評価、日菜と自分の違いも受け入れられるのだと思うのです。だって、双子であっても沙夜と日菜は別々の人間なのだから。自分と能力や考え方が違うのなんて当たり前なんです。


いやぁ、大変素晴らしかったです。もちろん世界感を演出するための絵の書き込みも素晴らしかったですが、さよさんの成長を描いているところがとっても素晴らしいかったです!

 

「貴方達、ロゼリアに全てを懸ける覚悟はある?」

そ、そういうことかぁー!!?

 

 

少女☆歌劇 レヴュースタァライト Blu-ray BOX3

少女☆歌劇 レヴュースタァライト Blu-ray BOX3

 
風立ちぬ [DVD]

風立ちぬ [DVD]

 

 

『Neo Fantasy Online ー邂逅ー』(1) 糸洲著 異世界という非日常でサバイバルすることでいまを生きることの大切さを思い出す。

f:id:kenkounauma:20190331231958j:plain

「糸洲」のプロフィール - pixiv
www.melonbooks.co.jp

糸洲さんの作品はとても独特な印象を受けます、何故かな?と思うのだけど、たぶん描かれている異世界感の書き込みが素晴らしいからだと思う。前作(?)の『花園ランド』も凄い書き込みの異世界が描かれていますよね。

 

異世界という舞台を設定しているのは、非日常の演出と、そこでサバイバルするなかで危機的状況でこそ人間の本質が見えてくるからだと思うのですが。たとえばサバイバルものと言えば『バトル・ロワイアル』を思い浮かべるのですが、人は命をかけて動くときこそその人間の本質が見えてくる。それと、動機レスの人間とうか、いまやらなくてもいいと思っていることも命を賭けて動かないといけない極限状態では、それをいまやらないと次の瞬間には死んでしまうよ?という状況をつくることができる(らしい)んですよね。メメントモリって奴でしたっけ?

 

『花園ランド』ではSPACEが閉店することにショックを受けた花園たえを有咲が救う話なのですが(アニメ9話頃ですかね)、ここでおたえとありさは冒険を通して様々な特別な体験をしていきます。この特別な体験を共有するのは『宇宙よりも遠い場所』もそうですね。この特別な体験を共有した友達は、もう他の人間と代替が出来ないので、本当の友達と呼べる関係性になるんですよ。だからありさは冒険を通して、おたえともっと関係性を深めたから、自分のホンネをさらけ出して叫ぶんですよ

「友達ができてずっと欲しかったから」
「だから帰ってきてよ!!これからもずっとおたえとバンドしたいよ!」

ちなみにおたえがありさに対してなにも言わないのは、べつに必要ないからだと思うんですよね。このダンジョン花園ランドっておたえの内面だと思うんですが、つまり、ありさはずーっとおたえのホンネと会話しながら冒険していたということになるんですよね。だからおたえからなにも言う必要はないんです。

 

でも、この作品がなによりも素晴らしいのは一見不思議な人間である『花園たえ』をちゃんと傷つく人間として描かれたことです!!これを読むと9話でショックを受けたおたえが実はこれだけの葛藤を乗り越えていたんだ!という風に思い至るわけですよ。いや、めちゃめちゃ凄くないですか?エッモ...。


『花園ランド』の感想になってしまった。『Neo Fantasy Online ー邂逅ー』は次の記事に書きます・・・。

 

バトル・ロワイアル [DVD]

バトル・ロワイアル [DVD]

 

 

『私に天使が舞い降りた!』12話 Aパート 感想 人はなぜ生きているのか?人生とは生きている価値があるのか?

 【Amazon.co.jp限定】私に天使が舞い降りた! Vol.3 ( 全巻購入特典:アニメ描き下ろしイラスト使用B2布ポスター引換シリアルコード付 ) [Blu-ray]

watatentv.com

12話Aパートがあまりにも素晴らしすぎて、何度も観て、その度に世界の真理を感じて号泣してしまう。

このわたてんの劇中劇『天使のまなざし』をもっと色んな人に観て欲しいので、この劇のどこが素晴らしかったのかを解説(?)していきたいと思います!

あ、ネタバレするので嫌な人はすぐに各配信サイトですぐに観てきて下さい!15分くらいなんで!!

 

www.youtube.com


まずはこの劇の概要を説明すると

天使は空に、人は地に、天使は人を愛で繋ぐ存在である。
アネモネは天使の身でありながら、人であるデイジーのことを愛してしてしまう。
憐れに思った大天使カルムはアネモネに人間になる方法があると教える。
アネモネは人間になる道を選ぶが、アネモネが降り立ったのはあの日から数十年経っており
デイジーの孫であるマリーから、デイジーはすでに亡くなっていることを知る。
悲しみに暮れるアネモネであったがマリーはあるものを差し出す。
それはあの日のカップケーキであった。

こんな感じですかね。

ざっくり解説したんですが、ここからは観たという前提で解説していくので観てない人にはわからないかもです。

まずは最初、アネモネが世界に生まれたシーンから。ここすでに号泣ポイント。

声が聞こえる、わたしを呼ぶ声。不思議な世界が待ってる。
たくさんの光に包まれて、なんて眩しい世界。わたしを呼んでいる、穏やかな愛に溢れている。素晴らしい世界。

これを読むとわかると思うのですが、アネモネは世界に生まれた瞬間から世界の美しさを感じとるんですよね。アネモネは天使としてこの世界に生を受けるわけですが、これは人間の子供であっても同じことであると言えると思うんですよね。
つまりですね、人間は生まれた瞬間から世界から愛されて生まれてくる。ということなんですよ、言ってる意味がわかりますかね?穏やかな愛に溢れている。素晴らしい世界なんですよ。


そして、アネモネはスイとレンに出会う訳ですが。ここも号泣ポイントです。
アネモネは世界に生まれた瞬間は一人なんですね、それでも世界が愛で溢れた、素晴らしい世界であることを感じている。
だけど、スイとレンに出会うことで、他者の視点からみた世界を知るんですね。

わたしたちが案内してあげるわ、おいでアネモネ
色とりどりの花が咲き誇る、素敵な場所、天使の国へようこそ!
いつでも笑顔の仲間たちと一緒幸せに暮らしてる。
はじめて香る風。はじめて瞳に映る色。はじめて芽吹いた気持ちは世界を埋めつくす愛。
天使の仕事はたったひとつ、愛を届けるのこの弓矢で。

他者の視点からみた世界を感じて、さらにいろんな世界を教えてもらって、アネモネはさらに世界を好きになっていくんです。
世界を一人で楽しむことも出来るんだけど、他者と関わることでさらに世界を好きになることが出来るんだ!と言ってるんだと思うんですよね。これ、めっちゃ泣けるよ!一人でもいいけど、みんなでもいいんだ!ってことだよね、これは『ゆるキャン△』のりんちゃんですね。彼女はソロキャンが元々好きで、友達が出来てもソロキャンはやめない。でも友達とキャンプをしないか?と言われれば、たぶん楽しそうならそっちにも行くんですよね。だから、一人でも楽しいし、みんなでも楽しい。だって世界は美しいから。


天使の仕事がなにかを知ったアネモネは地上で人に愛を届ける仕事を始めます。そこで世界を楽しんでいる人間のデイジーを見つけるんですね。

天使の心にも愛は芽吹くものなの?

こ!れ!これ!やばくないですか!!!??? えーっとですね、どういうことかというと、天使は人に愛を届ける存在な訳ですね。つまり、人間にとって天使はヒーローみたいな存在です、天使は人間を助ける側。
ということは、天使は誰が助けてくれるの?ということを言ってるんだと思うんですよ。愛の芽生えた天使は誰が救ってくれるの?という問いですね。ヒーローは誰が助けるの?といこと。

どうしたのアネモネ?こんなに良い天気なのに。
そうそう、どうしてそんなに悲しそうなの?
どうして?この胸は締め付けられるの、あの人をみたときからずっと。あの子はいまなにをしてるんだろう、この胸の高鳴り、あの人に会いたい。
わたしの胸に芽生えたこの気持ち、確かめたい。

アネモネは地上にいるデイジーのもとに向かいます。デイジーアネモネのことをみたときから好きになっていて、そして自分の得意なことであるお菓子作りで、アネモネを想ってカップケーキを作っています。でも、デイジーは人間と天使が別の存在であることを悟ります。

わたしは人間、天使のあなたと結ばれても先に死んでしまう。

あっ、あっ、うわぁああああん!!(泣) そうなんだ、天使と結ばれてもその先にあるのは人間であることの限界、有限である生。先に待つのは終わりである。これは『さよならの朝に、約束の花をかざろう』や『メッセージ』のテーマである、自分より先に死ぬことがわかっている相手を愛することができますか?って奴ですね。でもデイジーの立場はこの2作品でいうと愛される側、さよ朝のエリアル、メッセージの娘ですね。自分の方が先に死ぬのに相手を愛せるか?という問いを出される訳ですね。

だから、次でアネモネが人間になるという展開になるのは納得できます、自分が天使であるから人間とは同じ時間を生きていけないのであれば自分も人間になればいい訳ですね。
人間になるための条件は『人間となった天使の愛を人間に伝えて、受け入れてもらえなければ消えてしまう』というものでした。その条件を飲んでアネモネは人間になる決意をし、地上に降り立ちます。

踏みしめる冷たい雪、足から伝わる痛み。これが寒さね。
そう、わたしは決めたの、懐かしく優しい天使の国離れあなたのもとへ向かうわ。
この胸に芽生えた気持ちはもう止められない。さぁ、行こう希望を胸に抱いて、あなたのもとへ。愛の花咲かせよう。

ここも、ここも最高に素晴らしいってわかります?(泣)
地上に降り立ったアネモネは天使の羽が消えて、自分の足で世界を歩かなくてはいけなくなったんですね。そしてその足で踏みしめる大地は冷たくて、痛い。これはですね、世界とは優しいだけではなく、残酷で冷たいところでもあるということを言ってるんだと思うんです、ここではじめてアネモネは本当の世界知ります。でも彼女は後悔しません、なぜなら愛を知ってしまったから。暖かい世界にいたのでは手に入れられないものを、冷たく残酷な世界に踏み出すことでアネモネは手に入れるために前へ進むんです。愛ってすげぇぜ。ですが・・・。そこにはデイジーはすでにいませんでした。

残念だけど、お祖母ちゃんはもう・・・。
(中略)
わたし、消えるはずなのに。

愛を伝える相手であるデイジーがいないのであれば、アネモネは消えるはず。でもアネモネは消える気配がない、なぜなのか?

お待たせ。はい、うちの看板商品!

っ、そう。

お祖母ちゃんが言ってた、いつか天使のような人が来たら食べさせてあげたいって。

この胸に愛が、芽生えて気づいた。あなたへ届けたいこの気持ち。

話に聞いた美しい天使、憧れていたまるでおとぎ話。

いま二人巡り会った、わたしたちこのケーキを受け継いでいくの。命尽きるまで。

はじめて芽吹いた風を感じる。はじめて目にした鮮やかな色。はじめての愛が世界を包みゆく。

 

デイジーは愛の証であるカップケーキを孫の代まで受け継いでいたんです、アネモネの愛をデイジーはすでに受け取っていたわけです。だからデイジーは消えなかった。
この物語を観てとても素晴らしいなと感動したのは、この世界を生きる意味を感じたからなんですが、それは

愛は永遠なんだ!!

ということを感じたからなんですよ。なにを言ってるのか?というと、デイジーアネモネと一緒の時を生きていくことはできないと悟ってアネモネから離れるわけですが、でも孫にアネモネを愛していたと伝えているわけですね。最近読んだ『トクサツガガガ』に出てくるエマージェイソンの台詞で

好きな気持ちは無くなる訳じゃない

という台詞があるんですが、つまり好きな気持ち=愛は無くならないってことを言ってるんだと感じたんですよ。無くならないってことは永遠に続くってことで、永遠に続くってことは、愛は永遠ってことで、デイジーアネモネよりも先に死んでしまったけれど、愛は残ってアネモネに伝わったんです。愛していると伝えることが、愛していると知ることが、永遠に生きる天使を癒すということになるわけです。

人間っていうのはいつかは死んでしまいます、有限の時を生きている。でも、愛は無くならない。人間がこの生を生きているのに足るのは愛を見つけることなんだ!というふうに感じたんです。

デイジーが残したカップケーキが永遠に生きる相手を愛するということの答えなんです。これが素晴らしい!と思って泣いてしまった。

『さよならの朝に約束の花を送ろう』と『メッセージ』とは違う答え、先に逝くものの愛のありかたの答えを提示したからです!

デイジーは愛を見つけて幸せに暮らし。
アネモネは愛を知って世界の美しさを、広さを、素晴らしさを知り。
マリーもまたアネモネという愛するものを見つけたことで世界の素晴らしさを知った。

これは悲恋の物語でもなく、アネモネがデイジーに再会出来なかった悲しい物語でもなくて、本当の愛とは永遠に続くものなんだ!と言ってる物語なんです。

だから、この物語が言いたいのは

人生とは、愛を見つける旅なんだ!

 と言うことなんだと思います。

 

ふー、言いたいことが伝わってるかなぁ?(汗) まぁ、要約するとわたてん12話をみろ!!(見て下さいお願いします、そして素晴らしさを分かち合いましょう?そして円盤も買おう?) いやまじで劇を15分フルにつかってやるアニメすげぇよ

自分は物語を愛してるので人生生きるのに足りてますよ!ありがとうわたてん!!

 

 

劇中歌も素晴らしいので是非

 

TVアニメ「私に天使が舞い降りた!」サウンドコレクション

TVアニメ「私に天使が舞い降りた!」サウンドコレクション

 

 

 

 

トクサツガガガ(6) (ビッグコミックス)
 

 

『さよならクローゼット』 柾塚ちい著 問題を解決するのではなく、逃げているのでもなく、どうでもよいことだったんだ!!

f:id:kenkounauma:20190326122643j:plain


complext.booth.pm

とても、とても素晴らしかった、何度も読んでしまう。最近はKindleで漫画を読んでいて久しぶりに紙の本を読んだのですが、やっぱり紙は紙のよさがあるよなー、としみじみ思う。なんていうんだろう、受けとる情報量が違うって言うのかな?こちらの本はB5版の大きさなんですけど、こう、『圧』を感じるんですよね。それはキャラの熱さだったり、背景のキラキラだったり、色々なものから感じてるんだと思う。B5の大きさで読めたからこそ感じる印象があって、とても良いなーと。

ここからはネタバレありのなので注意です。

この作品の概要を説明すると


被服部に所属する三田まゆかは来る文化祭で自分の作成したドレスを披露するために、朝来容子にモデルになって欲しいと頼むが断られてしまう。それでも諦めないまゆかに容子がとある事を言うのだが・・・。


みたいな導入で始まります。

最初読んでいて、あぁ、まゆかがなんとかして容子にモデルになって貰えるんだろうなって思いながら読んでいて、モチロンその通りになったのですが、そこに至るまでが物凄く衝撃的でした。

まゆかがなぜ容子を選んだのか?という理由付けがとても理論的で、それなら容子しかないよねって納得できます。
ただ、自分の妄想なんですが、別の理由として「容子が母に似ているから」という理由もあったのではないかな?と思ったりします。自分の容姿が人並みであると理解しているまゆかは、美人女優である母にコンプレックスを抱いていて、だから母に綺麗に化粧をしてもらったり、ドレスを着させて貰って「似合っているわよ」と言われても、母以上には似合わないことがわかっているから、似合っていると言われても嬉しくはない。でもこれは裏を返すと、綺麗なモデルに綺麗な化粧やドレスを着てもらうことがまゆかにとっての喜びであるんだと思うんですよね、幼いころから綺麗な母を見続けてきたからこそ、綺麗な人がその魅力を最大限に発揮できるように着飾ることが好きなんだと思います。

それと、容子がそれはもうこっぴどくモデルになることを拒絶するんですが、容子はまゆかが美人を利用している!と言っていますが、たぶんそれだけじゃなくて、容子はまゆかの母シライマリィに似ていると誰かに言われたことがあったのではないだろうか?だからこそ、母の代替品として自分を使わないで欲しいと思って拒絶したのではないかな?

と思うのも、容子はまゆかが作ったドレスのイメージボード(?)を見て、これはシライシマリィの着ていたドレスと似ていると瞬時に言い当てるんですよね。有名な女優がこんなドレスを着ていたの知ってる!なんて普通の人はそこまで意識していないのではないかなと。でも容子は瞬時に言い当てる、これは容子がシライシマリィをすごく意識していたからだと思うのです。
そして、多分なんですが、シライシマリィの美しさには勝てないと心の何処かで思っていたのではないかなぁ?だからまゆりにキツい言葉を言い放つ。勝てない勝負はしたくないから・・・。

いやぁ、でもこの容子がまゆかに対して言い放つ言葉が素晴らしいなぁと感動してしまいます。人はこんな理由で他人を利用しようとするのだなぁとこれでもかと言うくらい言い放っていて、それで最後に「自分がないからって人の魅力を借りて誤魔化すんじゃねえよ」って、めちゃめちゃキツい言葉で、これってまゆかのすべてを否定する言葉ですよね。こんなこと言われたら立ち直れないないよ俺だったら(泣)

だけど、まゆかは折れない、なぜならまゆかはそんなことを言う容子に魅力を感じてしまったから。す、すげぇよまゆか!なんで折れないんだ!?と思う。うーんなぜだろうか?最近『かぐや様は告らせたい』を読んでいるんですが、そのなかで「成功体験がない人間は自己肯定感が低い」とあるのですが、まゆかはその点自分の服が褒められた経験や、たぶん親から褒められて育ったのではないだろうか?だから自己肯定感が高く、何度も容子に拒絶されてもめげないでいられる。傷つかないわけではないと思うんだけどね。

でも、こうやって拒絶されることでまゆかは何故容子を選んだのかを考えるんですよねー。そうすることでまゆりは自分の服を認めて欲しいからでもなく、母の影を振り払うためでもなく、他人を身代わりにしたいのでもなく、ただ純粋に容子の魅力を100%引き出したいから!という理由にたどり着くんですよね。いやぁ、ここ素晴らしいよねぇ。だって、これって容子が容子だから好きなんだって言ってるんだと思うんですよね。

容子のどこかが好きだから好きなのではなくて、容子だから好きなんだ。なんだか『やがて君になる』の燈子を思い出します。燈子は自分を偽って生きていて、その偽っている自分を好きになる人を軽蔑しているのだと思っているんですが、これの解決方法は燈子自身をみてくれる人が現れること。これ、容子はまゆかの誘いを受け入れる訳ですが、それってまゆかは容子が美しいからっていうだけの理由じゃなくて、容子が容子だからモデルにしたいと、自分のすべてを認めてくれたからですよね。容子の周りの、軽い自分の容姿だけしか見ていない男どもと違って。だから容子はまゆりの誘いを受け入れたんだ。

そして、この時点でまゆかの『母を越える』という彼女のドレスを作る理由が『容子の魅力を引き出す』に変わっているんですよね。これが、マジで驚きました。だって最初読んでて、これは母からの解放を描いていくのかと思っていたら、もうそんなことはどうでもよくなってるんだよ!?問題を解決するのではなく、逃げているわけでもなくて、そんなつまんないこともうどうでもいいだよ!!ってまゆかはもう次のレベルに上がっているっていうことですよね、成長したんだ。

いや、ほんともう。こんな物語の進め方があるのか!と驚いてしまっているし、失禁ものだよ!
家に縛られているのであれば例えば『彼氏彼女の事情』の有馬くんの父は家の評価が及ばない海外にいくし、『かぐや様は告らせたい』こっちはまだどうなるかわかりませんが、たぶんかぐやは物凄い力をつけて、家の力が及ばないほどの人間に成長していくのではないかと思うのですよね。こうして、家の問題は解決するか、逃げるかの選択指しかないと思っていたところに、第三の方法、そんなちいさいことはどうでもいいんだ!!という、力強い、こういった方法もあるんだと。クリエイターさんって物凄いです、こんなに素晴らしい答えを描き出す。いやぁ、すごいなぁ。

「閃択」この言葉もすごくいいですよね、この作品を通してのテーマであるとも思う。まゆかは新しい道を選択して、容子は新しい自分を選択してなど、彼女たちは色々な選択をしていく。選ばされるのではなく、選ぶ。だからこそ結果閃光のように煌めく光が見えたんだろうなぁ。

そして、この物語がとても美しいのはまゆかと容子の関係が対等だからなんだと思います。例えば母とまゆかの関係は母から服を着せられるまゆかという母が上でまゆかが下の関係。物語の中盤までの容子を羨望の眼差しで見るまゆかは、容子が上でまゆかが下。後半で描かれる、まゆかと容子の実力が拮抗している、どちらが上でも下でもないと感じる光景。どちらかの実力が上だと、どうしても、でもこっちの方が上だよね?って裏読みしてしまいます。が最後の二人はどこからどう見ても対等であるとわかる。だからこそ美しい光景なのだと思う。


あーー!面白かったし、素晴らしかったなー!まゆかの勢いとか、発言のセンス、この子どうしたんや?(笑)ってなってキャラに魅了されてしまう。容子の黒のドレスの美しさと迫力とか、もう色々素晴らしいものが他にもたくさんありますので、ここまで読んでくれた方は是非本書を読んでください!!

 

 

 

彼氏彼女の事情 1 (花とゆめコミックス)
 

 

 

 

 

 

『珈琲には砂糖を溶かして』みどねこ著 強くなること、最強になったものの悩み

f:id:kenkounauma:20190317182329j:plain


 
最近考えていたことがあって、可奈美って最強の存在であったタギツヒメに勝利したということは、もはや可奈美以上に強い相手がいないということで、この最強の存在となった可奈美は剣術を楽しむことはできても本気で相手ができる相手がいないことの孤独をどう解決したらいいのだろう?と考えていました

 

それがこの作品を読んで、なるほど!!と考えていたことの答えの一端が見えた気がします。

 

この作品の可奈美は強くなることで荒魂の驚異から人々を助ける可能性を高めることができると信じて、強くなろうとしています。このことは刀使ノ巫女のアニメ本編の獅童真希のような感じですね、もし可奈美に才能がなかったら真希のようになっていたのだろうなと思います。

 

でも可奈美には才能があって、そしてそれを楽しむ才能もあった。でもそのことが原因で稽古をお願いした後輩に影で「あたし、あの人苦手なんだよね。なんか距離近いっていうかさぁ・・・・・・」と言われてしまいます。可奈美が強すぎること、そして楽しめる性格であるからこそ興味をもった相手に積極的に手合わせを申し込める。もし可奈美が強くなかったらこうはならないと思うのですね。

 

すると可奈美は強くなろうとすることに疑問を感じる、これは強くなることで守ろうと思っていた人々から、強くなるからこそ拒絶されることもあるということに悩んだからだと思います。

 

そう!これなんですね、最強の存在になるということは孤独になるということだ。という風にこの作品内で語られています。うんうん、これって『戦国妖狐』のムド『しゃにむにGO!』の佐世古駿『はねバド!』の羽咲綾乃などなどが思い浮かびます。

 

 そして、最強ゆえの悩みを解決するか?という問いに対してこのみどねこさんの出された答えは

 

自分に本気で向き合ってくれる人間がいることだ!

 

と言っているんだと思います。その相手は姫和ですね。

これになるほど!!!と納得しました。戦国妖狐』のムドには千夜が 『しゃにむにGO!』の佐世古駿には伊出延久が 『はねバド!』の羽咲綾乃には荒垣なぎさが。

そして思い出したのは『左利きのエレン』と『HUNTER×HUNTER』のメルエムとコムギ。すごい、すごい色々繋がっていく!というかすでに答えを知っていたんだなー、でもこの本を読んだことでそのことにやっと気がつけた。

最強ゆえに、本気で戦わないのは相手への侮辱なんだ。これは『バンドリ!ガールズバンドパーティ!』の西沢はぐみの運動会エピで学んだ。

 

だからこそ、自分のすべてを出して、自分のことを知ってもらって、それで自分と本気で向き合ってくれる人が現れることを祈るのだ。祈るのも違うんだと思うんだけど。これは『ゆるキャン』の楽しいことをやってると友達が出来る。ということに繋がる気がする。

 

うーん!いいなぁ、『刀使ノ巫女』って色々なテーマが内在してると思うけど、この強くなること(=最強になること)の問いはアニメのなかでも可奈美が抱えていた問題で、この問いに対して、みどねこさんは真摯に答えを出されたんだと涙が止まりません。 いやぁ、面白かったし感動しました。寿々花と可奈美の再戦とか、可奈美という存在の周りには肯定するだけじゃない子だっているんだってことが描かれいてすげぇですよ!人のネガティブな感情は消えることはない、でも未来を信じて行動する。『HuGっと!プリキュア』だ!

 

いま『バトルスピリッツ ブレイブ』を観てるんだけど、英雄になった人間がその後どう生きるのかが描かれてて、これって可奈美達もこうなるかもなーって。まだまだとじみこは鉱脈が埋まってますよ・・・。

 

みどねこさんの『最強の証明』も面白いので是非

www.pixiv.net

kenkounauma.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

HUGっと!プリキュア vol.1 [DVD]

HUGっと!プリキュア vol.1 [DVD]

 

 

バトルスピリッツ ブレイヴ 1 [DVD]

バトルスピリッツ ブレイヴ 1 [DVD]

 

 

 

『燕結芽の本』 びびーすと著 これは結芽の成長を描いた物語です!

f:id:kenkounauma:20190315095810j:plain



こんな未来が見てみたかった。と思いました。この作品に出てくる結芽は復活して、やる気がなくなっている。それは自分がなぜ生きているか?という悩みを抱えているからではないだろうか? アニメ本編で結芽は可奈美との決着をつけられないまま亡くなってしまったわけだが、この作品のなかではその機会がおとずれたとき、結芽はやる気がないのだ。


そして、なぜやる気がでないのかを真希に打ち明けるのだが、真希は自分の戦う理由を説明する、真希の戦う理由を守ることとしたのはそうだよなーと思った。

 

真希は強くなりたいのは自分の力を見せつけたいわけではなくて、人々を荒魂の脅威から守るため、だから胎動編の真希は一人で荒魂を祓っていたのだと思うのだ。
真希のように立派に戦う理由がないと結芽は嘆くんですが、それに対して真希はそれでいいんだと言ってくれる。


ここのシーンがめっちゃすきです、これ、アニメで色々間違えながらも進んできた真希が言うってのがとてもよくて、あぁ、真希も成長してるんやなぁってわかる、これは確実に上に立つ存在になるよねってか、こんなリーダーについていきたくなる。


この結芽に言ったそれでいいんだっていう流れが最近読んでる『茉莉花官吏伝』で茉莉花が官吏になれるけど、自分は国を救いたいとかそういう使命を持っていなくて、だからそういう使命をもった人がなるべきだと思って、そんな自分は官吏になるのにふさわしくないと思っていたんですが、実は回りの人に聞いてみると、なれるなかで給料がよかったからとか、家の格をあげるためだとか。

 

国を救うため!みたいな崇高な理由なんてなくてもいいんだってことがわかって、それで自分は官吏になることでなにがしたいのか?を見つけることになる。っていうのがあって、結芽も巫女としてなにか崇高な目標がないといけないと思っていたのだと思うんですよね。でもそんな崇高な理由じゃなくても、自分なりの理由でやってみればいいじゃないか、という答えが提示されていて、うおー、いい話だなー!とうるっときてしまった。そして、結芽の両親にまつわる真実はとても優しくて、ありえないないのだけど、でもこういう救いがあって欲しいなぁとは思うのだ。


結芽はこして様々な経験を通して、成長したのでしょう。先日までは退屈だった日常が、今日は朝起きた時から輝いてみえている。だからこそのラストの台詞「今日は、なにをしようかな」だと思うのだ。


あと、刀使同士の戦闘が静かな感じがしてカッコいいなぁと。表紙でとっても損していると思うなー(苦笑)中身はとても真摯に結芽が描かれているのでこれを手に取れて良かった。

 

【ゆっくり解説】三幕構成を通して観るけものフレンズ一期 http://nico.ms/sm34764041?cp_webto=share_others_androidapp

最近観たこれの中で、物語を観るのは精神的な変化をお土産として持ち帰れるからである (20:54頃)とあるのだけれど、自分の中でなぜ物語を観ているのかということに対して漠然と思っていたことが言葉にするとこう言うことかと納得したのですが、今回の結芽も精神的に成長していて、やっぱりこういう物語が好きだなーと思う。さらにこれが世界と接続されている物語だともっと好きなので長編が読んでみたいなと期待してしまいます。