今日も一日健やかに物語を

おもしろいと思ったものを

『私に天使が舞い降りた!』12話 Aパート 感想 人はなぜ生きているのか?人生とは生きている価値があるのか?

 【Amazon.co.jp限定】私に天使が舞い降りた! Vol.3 ( 全巻購入特典:アニメ描き下ろしイラスト使用B2布ポスター引換シリアルコード付 ) [Blu-ray]

watatentv.com

12話Aパートがあまりにも素晴らしすぎて、何度も観て、その度に世界の真理を感じて号泣してしまう。

このわたてんの劇中劇『天使のまなざし』をもっと色んな人に観て欲しいので、この劇のどこが素晴らしかったのかを解説(?)していきたいと思います!

あ、ネタバレするので嫌な人はすぐに各配信サイトですぐに観てきて下さい!15分くらいなんで!!

 

www.youtube.com


まずはこの劇の概要を説明すると

天使は空に、人は地に、天使は人を愛で繋ぐ存在である。
アネモネは天使の身でありながら、人であるデイジーのことを愛してしてしまう。
憐れに思った大天使カルムはアネモネに人間になる方法があると教える。
アネモネは人間になる道を選ぶが、アネモネが降り立ったのはあの日から数十年経っており
デイジーの孫であるマリーから、デイジーはすでに亡くなっていることを知る。
悲しみに暮れるアネモネであったがマリーはあるものを差し出す。
それはあの日のカップケーキであった。

こんな感じですかね。

ざっくり解説したんですが、ここからは観たという前提で解説していくので観てない人にはわからないかもです。

まずは最初、アネモネが世界に生まれたシーンから。ここすでに号泣ポイント。

声が聞こえる、わたしを呼ぶ声。不思議な世界が待ってる。
たくさんの光に包まれて、なんて眩しい世界。わたしを呼んでいる、穏やかな愛に溢れている。素晴らしい世界。

これを読むとわかると思うのですが、アネモネは世界に生まれた瞬間から世界の美しさを感じとるんですよね。アネモネは天使としてこの世界に生を受けるわけですが、これは人間の子供であっても同じことであると言えると思うんですよね。
つまりですね、人間は生まれた瞬間から世界から愛されて生まれてくる。ということなんですよ、言ってる意味がわかりますかね?穏やかな愛に溢れている。素晴らしい世界なんですよ。


そして、アネモネはスイとレンに出会う訳ですが。ここも号泣ポイントです。
アネモネは世界に生まれた瞬間は一人なんですね、それでも世界が愛で溢れた、素晴らしい世界であることを感じている。
だけど、スイとレンに出会うことで、他者の視点からみた世界を知るんですね。

わたしたちが案内してあげるわ、おいでアネモネ
色とりどりの花が咲き誇る、素敵な場所、天使の国へようこそ!
いつでも笑顔の仲間たちと一緒幸せに暮らしてる。
はじめて香る風。はじめて瞳に映る色。はじめて芽吹いた気持ちは世界を埋めつくす愛。
天使の仕事はたったひとつ、愛を届けるのこの弓矢で。

他者の視点からみた世界を感じて、さらにいろんな世界を教えてもらって、アネモネはさらに世界を好きになっていくんです。
世界を一人で楽しむことも出来るんだけど、他者と関わることでさらに世界を好きになることが出来るんだ!と言ってるんだと思うんですよね。これ、めっちゃ泣けるよ!一人でもいいけど、みんなでもいいんだ!ってことだよね、これは『ゆるキャン△』のりんちゃんですね。彼女はソロキャンが元々好きで、友達が出来てもソロキャンはやめない。でも友達とキャンプをしないか?と言われれば、たぶん楽しそうならそっちにも行くんですよね。だから、一人でも楽しいし、みんなでも楽しい。だって世界は美しいから。


天使の仕事がなにかを知ったアネモネは地上で人に愛を届ける仕事を始めます。そこで世界を楽しんでいる人間のデイジーを見つけるんですね。

天使の心にも愛は芽吹くものなの?

こ!れ!これ!やばくないですか!!!??? えーっとですね、どういうことかというと、天使は人に愛を届ける存在な訳ですね。つまり、人間にとって天使はヒーローみたいな存在です、天使は人間を助ける側。
ということは、天使は誰が助けてくれるの?ということを言ってるんだと思うんですよ。愛の芽生えた天使は誰が救ってくれるの?という問いですね。ヒーローは誰が助けるの?といこと。

どうしたのアネモネ?こんなに良い天気なのに。
そうそう、どうしてそんなに悲しそうなの?
どうして?この胸は締め付けられるの、あの人をみたときからずっと。あの子はいまなにをしてるんだろう、この胸の高鳴り、あの人に会いたい。
わたしの胸に芽生えたこの気持ち、確かめたい。

アネモネは地上にいるデイジーのもとに向かいます。デイジーアネモネのことをみたときから好きになっていて、そして自分の得意なことであるお菓子作りで、アネモネを想ってカップケーキを作っています。でも、デイジーは人間と天使が別の存在であることを悟ります。

わたしは人間、天使のあなたと結ばれても先に死んでしまう。

あっ、あっ、うわぁああああん!!(泣) そうなんだ、天使と結ばれてもその先にあるのは人間であることの限界、有限である生。先に待つのは終わりである。これは『さよならの朝に、約束の花をかざろう』や『メッセージ』のテーマである、自分より先に死ぬことがわかっている相手を愛することができますか?って奴ですね。でもデイジーの立場はこの2作品でいうと愛される側、さよ朝のエリアル、メッセージの娘ですね。自分の方が先に死ぬのに相手を愛せるか?という問いを出される訳ですね。

だから、次でアネモネが人間になるという展開になるのは納得できます、自分が天使であるから人間とは同じ時間を生きていけないのであれば自分も人間になればいい訳ですね。
人間になるための条件は『人間となった天使の愛を人間に伝えて、受け入れてもらえなければ消えてしまう』というものでした。その条件を飲んでアネモネは人間になる決意をし、地上に降り立ちます。

踏みしめる冷たい雪、足から伝わる痛み。これが寒さね。
そう、わたしは決めたの、懐かしく優しい天使の国離れあなたのもとへ向かうわ。
この胸に芽生えた気持ちはもう止められない。さぁ、行こう希望を胸に抱いて、あなたのもとへ。愛の花咲かせよう。

ここも、ここも最高に素晴らしいってわかります?(泣)
地上に降り立ったアネモネは天使の羽が消えて、自分の足で世界を歩かなくてはいけなくなったんですね。そしてその足で踏みしめる大地は冷たくて、痛い。これはですね、世界とは優しいだけではなく、残酷で冷たいところでもあるということを言ってるんだと思うんです、ここではじめてアネモネは本当の世界知ります。でも彼女は後悔しません、なぜなら愛を知ってしまったから。暖かい世界にいたのでは手に入れられないものを、冷たく残酷な世界に踏み出すことでアネモネは手に入れるために前へ進むんです。愛ってすげぇぜ。ですが・・・。そこにはデイジーはすでにいませんでした。

残念だけど、お祖母ちゃんはもう・・・。
(中略)
わたし、消えるはずなのに。

愛を伝える相手であるデイジーがいないのであれば、アネモネは消えるはず。でもアネモネは消える気配がない、なぜなのか?

お待たせ。はい、うちの看板商品!

っ、そう。

お祖母ちゃんが言ってた、いつか天使のような人が来たら食べさせてあげたいって。

この胸に愛が、芽生えて気づいた。あなたへ届けたいこの気持ち。

話に聞いた美しい天使、憧れていたまるでおとぎ話。

いま二人巡り会った、わたしたちこのケーキを受け継いでいくの。命尽きるまで。

はじめて芽吹いた風を感じる。はじめて目にした鮮やかな色。はじめての愛が世界を包みゆく。

 

デイジーは愛の証であるカップケーキを孫の代まで受け継いでいたんです、アネモネの愛をデイジーはすでに受け取っていたわけです。だからデイジーは消えなかった。
この物語を観てとても素晴らしいなと感動したのは、この世界を生きる意味を感じたからなんですが、それは

愛は永遠なんだ!!

ということを感じたからなんですよ。なにを言ってるのか?というと、デイジーアネモネと一緒の時を生きていくことはできないと悟ってアネモネから離れるわけですが、でも孫にアネモネを愛していたと伝えているわけですね。最近読んだ『トクサツガガガ』に出てくるエマージェイソンの台詞で

好きな気持ちは無くなる訳じゃない

という台詞があるんですが、つまり好きな気持ち=愛は無くならないってことを言ってるんだと感じたんですよ。無くならないってことは永遠に続くってことで、永遠に続くってことは、愛は永遠ってことで、デイジーアネモネよりも先に死んでしまったけれど、愛は残ってアネモネに伝わったんです。愛していると伝えることが、愛していると知ることが、永遠に生きる天使を癒すということになるわけです。

人間っていうのはいつかは死んでしまいます、有限の時を生きている。でも、愛は無くならない。人間がこの生を生きているのに足るのは愛を見つけることなんだ!というふうに感じたんです。

デイジーが残したカップケーキが永遠に生きる相手を愛するということの答えなんです。これが素晴らしい!と思って泣いてしまった。

『さよならの朝に約束の花を送ろう』と『メッセージ』とは違う答え、先に逝くものの愛のありかたの答えを提示したからです!

デイジーは愛を見つけて幸せに暮らし。
アネモネは愛を知って世界の美しさを、広さを、素晴らしさを知り。
マリーもまたアネモネという愛するものを見つけたことで世界の素晴らしさを知った。

これは悲恋の物語でもなく、アネモネがデイジーに再会出来なかった悲しい物語でもなくて、本当の愛とは永遠に続くものなんだ!と言ってる物語なんです。

だから、この物語が言いたいのは

人生とは、愛を見つける旅なんだ!

 と言うことなんだと思います。

 

ふー、言いたいことが伝わってるかなぁ?(汗) まぁ、要約するとわたてん12話をみろ!!(見て下さいお願いします、そして素晴らしさを分かち合いましょう?そして円盤も買おう?) いやまじで劇を15分フルにつかってやるアニメすげぇよ

自分は物語を愛してるので人生生きるのに足りてますよ!ありがとうわたてん!!

 

 

劇中歌も素晴らしいので是非

 

TVアニメ「私に天使が舞い降りた!」サウンドコレクション

TVアニメ「私に天使が舞い降りた!」サウンドコレクション

 

 

 

 

トクサツガガガ(6) (ビッグコミックス)