今日も一日健やかに物語を

おもしろいと思ったものを

『メヌエット』 春井安子さん 少女と老婆は言葉にする

春井安子さんのブログにある作品を読み漁ってたのですが、感想を書いて伝えなくては!と思ったので書きます。

まず最初におそろしい雰囲気の老婆が出てきて、なんだこいつは!?こわいぞ。ってなって、トムテが出てきて、おぉこいつはファンタジーなのかなと思ったら「ここはスウェーデンだよ」···え?異世界の話じゃないのか?と最初から気になる展開で続きが気になりました。

そして老婆をどうするのか気になるところで「君がともだちになればいいんだ!」ここも驚き!『ホームアローン』みたいに子供の知恵でどう老婆を出し抜くのか的な物語かと思ってたところに「ともだち」になるなんて!俺はなんて奴なんだ···。

少女は老婆と「ともだち」になるという発想がなぜ出てきたのか?その理由は少女が母にしてあげてた行動からだと思うのですが、一度失敗している行動なのにそれでも少女は繰り返す。くぅーー!泣く😭悲しいけど優しい。淋しいけど、暖かい。全然うまくいえないけどそんな感じ。

少女と老婆。お互いに言葉がわからない同士だったけど言葉が通じるようになる、伝えるという気持ちが相手に伝わるんだろうなー。

春井安子さんの作品を読むと、不器用な感じで周りにとけこめない人間でも、言葉にすることで誰かが見つけてくれたり、聞いてくれたりするという風に感じました。

一つ一つの言葉がどれも良くて、素敵な作品。ありがとうございました。