今日も一日健やかに物語を

おもしろいと思ったものを

『My Sweet Lavender』 春井安子さん

f:id:kenkounauma:20180827222455j:plain

 

歴史がここに創造されました。この世界はある。あるんだよ!!
前作から数年経ち、ラベンダーは研究者になり竜の薬を研究していたが、教授が亡くなったのをきっかけに研究は打ちきりになった。ラベンダーはそれでも一人ででも研究を続ける。それは好きな彼女を助けるためだ。この女強すぎる···。強いから周りの人を拒絶しても平気。リンは成長(!?)して、いまは農園(?)で働いている。しかし明らかに周りと比べて仕事量が多い。なのに給料が少ない···。他には子供から無邪気な暴力を受けたり、そんな扱いを受けているのにそれを受け入れている。
二人ともそんなふうに思えるのはなぜなのか?たぶんだけど、家に帰れば自分のこと好きだと想っている人が居るからじゃないだろうか?100の悪意よりも1の愛なんかなぁー!
読み進めていくと凄い···、泣く。理由の解体と再生産が行われ、根っこの部分を再認識するのだ···。泣く。リンのセリフ「この世界で生きるのが大好き」そう、リンはとても理不尽な扱いを受けているのにも関わらず「この世界せ生きるのが大好き」なのだ。泣いた···書きながら泣いてる。

なぜリンは「この世界で生きるのが大好き」なのだろうか?その前のセリフから考えると悪意に絶望するよりも、愛に希望を見いだしたからだろうか?その後のエピローグ。ここでもう涙腺崩壊でした。
おばあさんになった彼女、パートナーを妻とよび、そして···そして人化竜が···。
教授が言った通り「時間は前へ進んでいる」んだ···。うおー!人生で歴史!素晴らしい物語でした!