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『SWEET SILENCE/月、ひとしずく』 遠野真秀さん 自分を愛せない人間は他人を愛せない

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これを読んでるときに町山さんのボヘミアンラプソディ評論を聴いてたんですが

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その中でフレディがジムに好きだと告白したときにジムは「フレディさん、もし自分を愛せるようになったら自分を見つけてください」と言うんですが、これが『SWEET SIKENCE』の麻弥と千聖の二人にドンピシャだと思ったんです。二人とも自分の本当に好きな人に愛を伝えられず、その満たされない愛を埋めようと他の人で代用するんです。この伝えられないというところが「自分を愛せていない」という状態なんだと思うんです。なぜかというと、こちらの物語からの文脈ではなくてガルパの二人を視ていてなんですが、千聖は計算で生きている自分を好きではないし、麻弥は自分なんかとよく言っているように自己評価が低くそんな自分が好きという状態ではないと思うんです。それがこちらの物語にも引き継がれていると思ってみると愛が伝えられないのは自分を愛せていないからと見えます。では、どうすれば自分を好きになれるのか?ということですがこれは難しくって自己努力ではどうにもならないと自分は思っています。ならどうするんだ!と言うとこれはもう、奇跡が起きることを祈るしかありません。奇跡というのはなにかと言うと、自分が好きではない状態というのは結局、自分の○○は他人に劣っていると、自己と他人を比べることから発生するものだと思うんです(アドラー心理学だっけ?)。ですので自分を好きになるためには、他人から自分の嫌いな部分を好き!と言われる、または認められる他人が現れることが奇跡です。『ボヘミアンラプソディ』のフレディもメアリーやqueenのメンバー、そしてファンの皆から愛され、認められることで自分を愛せるようになりジムを見つけることが出来ました。あとは最近だと『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い』のもこっちこと黒木 智子が思い浮かびます、彼女も突然友達が出来始めますがあれも偶然なんだと思うんですよね、奇跡ですよあれ。と、言うことでこちらの麻弥と千聖がどうなるのかは神のみぞ知ると言うことで。

あと!地の文(?)がスゴく面白いです!読まなくていいというか読むのがツラい地の文があって、そういうときはだいたい読むというか見るようにしてるんですが、この物語の文はそうじゃなかったんです!麻弥と千聖の関係が変わっていくにつれて二人の内面の変化が読み取れて読んでいて引き込まれました。凄い!(語彙力)
そして『SWEET SILENCE 』が闇の麻弥と千聖物語だとすると、『月、ひとしずく』のほうは光の麻弥と千聖の物語でした。こちらはもう甘々なんで、麻弥と千聖がイチャイチャしてるのが見たかったんだよぉ!という方にオススメします。

 

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