今日も一日健やかに物語を

おもしろいと思ったものを

『9センチってどのくらい?』『マウンティング アコ』パルアカ著 パルアカさんの9センチはアコイヌ専用の出入口の高さ。

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はい、可愛い!!アコイヌ可愛い!以上、解散!!

あ、待って!もっと語りたいことがあるから集合して!てな感じで読んだあとに語りたいことが出てくる作品でした。読んでる最中はただただマウンティング(へこへこ)してるアコイヌ可愛いなぁって思いながら読んでたので、それ以上の感情を入れる隙間が存在しなかったんですよ。

でもね、読み終えたあとにちゃんと、これはアコイヌの大冒険の話だったでは?と思えたんですよね。なぜそう思ったかというと、アコイヌはお気に入りの、それこそ寝ている大好きなりんりんを起こしちゃうくらい気に入ってるクッションがあるんですが、それがもうボロボロになってたから新しいのと交換される。でも新しいクッションにはお気に召さない。これがなぜなのかは物語のラストで語られるのでそこは本書を読んで欲しいので割愛します。

それで、アコイヌはお気に入りのクッションが捨てられてたことを知っておうちを飛び出すんです。これね、別に家を飛び出さなくてもいい気がするんですよね、家のなかで別のものをを探せばいいって。でも、違ったんですね、おそらくなんですがおうち中を探した結果、クッションを見つけ出したのであってそれ以外ではダメだったんだと思うんです。そう考えると、家の中にはもうクッション以外に気に入ったものがない、とすると家の外に探しに行かなくてはダメだったんですね。やっぱりこれが宇田川あこなんだよな、1番以外ではダメで、妥協をしないんだ。そして、外に飛び出せる勇気を持った挑戦者なんだよね。

それが9センチの高さ(推定)のアコイヌ専用出口。それが冒険への入り口。アコイヌはいままで一人でお外に出たことがあるのだろうか?あるとすれば、りんりんの帰りが遅くて自分から迎えに行くとか、りんりんを起点とした動機だと思うのですが。だからたぶん一人でお外に飛び出すのは勇気のいることだったのではないかなとも思う。

でも、アコイヌは外に飛び出したことで自分が本当に好きだったものはなんだったのかを認識するんですよね。これは、アコイヌとりんりんの成長の物語であると見ることができるんですね。そしてりんりんもアコイヌが本当に好きなものを知ってさらに関係性が深くなると思うのだ。だからこれはアコイヌの冒険譚であり、りんりんの気付きの物語なんです。


とまぁ、まるで綺麗なお話であったかのように語っているのですが絵面はだいぶアレなので、たぶん読み終えるまではマウンティングしてるアコイヌに衝撃を受けると思う(笑)

絶対最後のシーン(マウンティング)がやりたかっただけなのではないかなーと邪推してしまいます(苦笑) あれはまぁ、うん、おれも・・・。

 

表紙のいいねの数値は聖なる数。このご尊顔を拝するために、だれもが心の浄化を求めて寺への入門を求めてしまうことでしょう。