『Romantic Eve』はいれま千円 己の星は見えずとも、掴んでみせます自分星！
この方の描かれているこちらの本があまりにも素晴らしすぎて、自分も大場ななについてもっと真剣に考えねば！と思って記事を書いてしまったくらい、こちらの作品の『大場なな』と『星見純那』の人間性とコアの部分、また『少女☆歌劇レビュースタァライト』の物語の読みの深さとそれをオリジナルへ変えるアイデア。これは全くもって二次創作ではあるんですが、オリジナル作品であると言えると思うんです。それに物語の進め方(？)がとても綺麗です、料理をしながら星の話をしているところなんかは日常の、延長線上で起きていることなんだというのが感じられるし、なながたまに敬語を使うところも自然に作中に組み込まれていて・・・そう、ななはこういうことをたまに言う子だよねってキャラへの納得感がありました。星座のことやシェイクスピアの戯曲のことなど色々な知がありこの本を真摯に描いたのだろうなとも伝わってきました。
以下、ネタバレを含めた感想。
まずは１ページ目から。もうすでにこの始まりかたが『少女☆歌劇レビュースタァライト』のような、抽象的で、戯曲的な表現
で、たぶんスタァライトが好きなかたならこの冒頭１ページ目を読めば一発で心を奪われます。
手を伸ばしても届かない眩しい光
まわりの星々のあまりに眩しいきらめきと
見つけられることのない名前のない星
ここからみえないくらい遠い遠い星のよう
それでも
掴もうと手を伸ばす
といった大場ななのモノローグから始まります。すごくスタァライトの作品のにおいがしてきませんか？この一見なにを言ってるのかわからない、けど作品を読み込んだ人なら伝わってくる言葉。これっ、とてもすごくないですか！？
大場ななの言う星とは他の舞台創造科のみんな、他の８人のことですね、それを
それでも 掴もうと手を伸ばす
なんて言われた日にはもう、涙がでてきますよね。大場ななのコアはここなんだとはいれませんさんはわかっている。そしてそんな、星を見上げて掴めないと嘆く少女を救うのが『星見純那』であることをこの本でこれでもかというくらい表現されていて、ほんと、ほんとによくわかっている(号泣)
星見純那がなぜ大場ななを救えるのか、というと、それは純那の口上を読みとくとわかると思います。
人には運命の星がある。綺羅星、あけ星、流れ星、己の星は見えずとも、見上げる私は今日限り。99期生「星見純那」。掴んでみせます自分星！
この掴んでみせます自分星！というのがスタァライトでななが『届いたはずなのに、まだ眩しい』と言っていることへの回答なんです。ななが眩しいと思っているのは周りのみんなが輝いているから、そして自分は光輝いていないからなんです。光輝くためにはどうすればいいのかというと、自分星を掴むしかないんです。眩しい瞬間に自分が居ても、自分が光輝いていないと『届かない』から『まだ眩しい』。
また、純那の言う、星というのが＝個性＝人であると考えているんですが、純那は口上から考えるといろいろな星＝人を見ている、だから『大場なな』という星を見つけることができたと考えられます。
さて、『Romantic Eve』の話に戻ります。
こちらの本のなかで純那はななを舞台見に行く(いや、デートなんですけど)のに誘うためにその舞台の元ネタを調べて、話すんですね。ななが舞台に興味をもってもらえるように(いや、そんなデートの誘いかたがあるかよって感じで笑っちゃうんですが、でも可愛いですよねー、いや可愛いですよはいれま千円さん！！)
ということからこの方は純那が星を見つける子なんだと理解して物語を設計しているのが読み取れます。本のラストで純那が隠れているななを見つけ出す展開はとてもいい構造だと思いました。
そして純那は一度は掴んだけど放された手を差し出し
今度こそ、手を取ってくれる？
と再たび手を差し出すんですね。何度でも掴んで見せると。
とても情報量のある物語だったのでとりこぼしがあると思われますが。いや、ほんと泣ける。素晴らしい作品です！はいれま千円さんありがとうございます！！！素晴らしい関係性の物語をありがとうございます！！！またあなたの作品が見れて自分は感動しています。しかもとっても作品の質が高くなっていてすごいです！この作品を読んで気がついたのは自分は作品のジャンルそものもが好きというよりは作家さんのコアの部分が好きなんだなということ。だけど好きなジャンルと好きなコアが重なったこちらの作品は最強です！！
下記の記事が大場ななについて真剣に考えた結果です。
