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『魔法の国の豆スープ 4』せん著 人生でもっとも重要なこととは?(1)

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通称まめすぷが完結してしまいました・・・。当日は続きが読めるという楽しみと、これが最終巻なんやなって寂しい気持ちがない交ぜになりながら、家に帰るのまで待てなくて会場で読んでしまった。

読み終えてただ感無量でした。そして自分の読みの浅さに恥ずかしくもあり、想像を越えた展開が待っていて素晴らしかったです。そして感想を直接言いたいと思い、たぶんその日に5兆回は言われたであろう『最高でした!』と『ブログに感想書きます!』とだけ。もちろんほかにも言いたいことはたくさんありました、人見知りの自分が情けない・・・。でもそんな自分に『ありがとうございます』と言っていただけただけで、伝えてよかった(泣) 

 

こちらの作品は1年という短期間で完結された傑作でした。これはせんさん自身ですでに答えが出ているものを作品として描かれているからこそ完結まで描ききれたのだと思うんですよね。それはどういう事かというと、せんさんの作品を観ていると、『人生ってなんのために生きているんだろう?』というテーマを感じるんです。そしてそれが作品を描かれるごとに更新されていっているようにみえる。

時系列で追っていくと(間違ってたらすみません・・・)せんさんのHPで公開されている小説の『火の影を踏む』は朱羅さまの激動の人生を描いたもので、ここでは人生とは戦って、戦って、戦って。勝ち取らないといけなくて、そのためにはどんな犠牲だって払って、血を流していくしかないんだ。でもそのあとに幸せは待っている。というような、人生とは戦いなのだと描いていると感じました。

次の『獣の王と逃亡兵』では戦いに疲れた兵士と人の世で生きるのが嫌になった王の話です。これは『火の影』で人生とは戦いだ!!って言ってたけどでも実際戦い続けるのなんて無理だよ、疲れちゃったよ・・・。なんで生きてるんだろう?というような、疑問を描いたのだと思います。そしてなぜ生きているのだろう?という問いに対してこの作品で出された答えは『大切な人が生きているこの世界で生きたい』だったと感じました。しかし逃亡兵はラストで死んでしまいます。つまりこれは、でもそんな甘いこと言ってると現実に殺されるんだよ!!という認識がまだあったのだと思うのです。

そして今回の『魔法の国の豆スープ』ではこの、『大切な人が生きているこの世界で生きたい』というテーマを色々な角度から描かれたのだと感じました。
イサラとナターシャの共に相手を尊重し、依存ではなく共存すること
ニルバの自分の意思で国を守るために身を差し出したこと
テマシュの兄を助けるために頑張ること
テンテの本当に大切なことをみつけたこと
などの様々なお話がありました。

『まめすぷ』は学園生活から始まります、この時点で『火の影』や『けもへい』とは違う、人間の関係性を描こうとしているんだと思うのです。学園というのは人間関係の結び付きを描くのに最適な設定らしいのです。学園生活を通して日常の楽しさ、それを共有するこのできる友達がいることが『生きたい』ということに繋がっている。

だけどここに一つの疑問が投げ掛けられます、『大切な人が生きているこの世界で生きたい』というのは『大切な人が生きているから生きる』つまり『大切な人が居なかったら生きている意味がない』と言えると思います。やはりここで『なぜ生きているのだろう?』という疑問に立ち返ったのだと思うのです。そして様々なエピソードを描き、テンテを通して答えを出したのだと思います。それが『あなたに会えた』からだ!と言ってるんです。

この『あなたに会えた』からとはどういうことかと言うと

心から大切だと思える人に出会えた時点で、その生は生きていた価値がある。

ということだと思います。ついにせんさんは確信されたのだと思います、『火の影』『けもへい』を経て『まめすぷ』でついに『大切な人が生きているこの世界で生きたい』と高らかに宣言されているのです。


なに言ってるんだろう?と思われているとおもうんですが(苦笑) ただ『まめすぷ』の1巻を買った約一年前のコミティアからせんさんのことを追っていて、最近の言動だったりを見ていて、せんさんの心象風景が作品に反映されているのではないかな?と感じたんですね。こちらの『まめすぷ』を読んでいるとせんさんがいま心穏やかなんだろうなーと。 いや、なに言ってんだ気持ち悪いな俺・・・。


と、とにかく感想でした。作品の感想に続きます・・・。

 

 

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